ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「華麗なるイタリアオペラの真髄」

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カミさんのお友達のオススメということで、まあお付き合いで。それに、会場が近くのミューザ川崎というので、行ってみたのだが・・・・

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主催者がどのような事情で連れてきたのか定かじゃないけど、このタイトルはいくらなんでも、ちょっと・・・という印象。

指揮もオケも進行も悪くないのだが、いかんせん、このテノールに問題あり。一時的に体調不良で声が出ないのかとも思ったが、どうも、これがこの人のレベルのようだ。まともにテノールの声が出ていないから、オケの音に完全にかき消されてしまう。

ソプラノのSerena Daolioは、Yahoo Italiaで検索すると、そこそこのキャリアを積んだまあまあのソプラノらしいのだが、やはり声が出ていない。というより、このテノールのレベルに合わせているらしいことが、徐々に分かってきた。多分、その気になれば、結構歌える筈。

オペラのアリアはいいとして、カンツォーネはほとんど箸にも棒にも。セレーナ・ダオリオさんが歌った「サンタ・ルチア」など、楽譜を見ながら歌っていた。こんな短い民謡、アタシだって、暗譜しているっちゅうのに!当日突然言われたわけでもないだろうし。聴衆を小馬鹿にしているとしか思えない。本人だって、こんな曲、願いさげだろうに!

さらにアンコールで「オー・ソレミオ」と来た!!笑っちゃうのは、高音部のみソプラノが担当って、アンタ、そりゃあんまりだ。最後のフニクリ・フニクラも、オケだけが響き渡っていて、終了。ソプラノは全く歌わず、最後の一声だけ。

それにしちゃ、満員の聴衆が大喝采を、中にはスタンディングまで。そうか、この人たちは、ほとんどがナントカ支部とかで、普段はそれこそ演歌しか聞いていな人たちが動員されたのかと妙な勘ぐりをしたくなる。でなきゃ、こんなB級田舎のドサ回り公演が満員になるわきゃないし。

ま、いろんなコンサート聴きに行くけど、ここまで酷いのは、初めて。わずかに救いはオケだけの演奏が何曲か聞けたこと。とりわけ、「カヴァレリア」の間奏曲は胸に沁みたなあ。それにしても、よくぞ「・・・・オペラの真髄」などと。

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