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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「プラド美術館展」@三菱一号館美術館(ブロガー内覧会)

美術

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抽選の結果、幸運にも内覧会に招待された。これは懇切な解説が聞けて、条件付きながら、写真撮影も許可されるという特典が嬉しい限り。

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プラドの至宝が102点もここに結集、しかも選りすぐりの名品ばかり。確かに小品が多数を占めるものの、館長や学芸員の説明にもあったが、大作とはまた異なる楽しみ方があるということで、これには目からうろこであった。

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今回の目玉の一つ「ロザリオの聖母」(エステバン・ムリリヨ)の前で冒頭、高橋館長からご挨拶に続いて、本展の概要説明と、今後の展覧会の紹介があった。

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次いで本展の担当学芸員である安井裕雄氏と、「青い日記帳」で知られる代表的美術ブロガーの中村剛士氏によるギャラリー・ツアーで、さらに詳しい解説をいただいた。このお二人は、これまでも何度か組んで解説されているが、すでに呼吸もぴったりで、中村氏の鋭いツッコミに、さすがに博覧強記の安井氏もタジタジの場面もあり、アッという間に予定時間が終了。あとは各自、自由に何度も会場を巡るという趣向。

大作となると、巨匠の場合はアトリエ(工房)で、主要な部分のみ手を入れて、あとは弟子たちに任せるような手法を取ることも珍しくない中、小品は、じっくりと画家本人だけが細部に至るまで描きこむので、真価が余計に見て取れるなど、小品ならではの面白さがあるとか。

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アポロンと大蛇ピュトン」はコルネリス・デ・フォスの作品だが、このすぐ左横にルーベンスの下絵が展示されている。色調や、細部が微妙に異なり、まことに興味深い。例えばアポロンと、まさに弓を射ようとするキューピッドの視線が、デ・フォスの作品では、交わっていないのだが、ルーベンスの下絵ではしっかり交錯していることなど。

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一番見ごたえのあった「ロザリオの聖母」(ムリリヨ)撮影許可が出ているとは言え、1点撮りは不可のため、こうした撮り方しかない。

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誰かが偶然撮影した画像に、ロザリオの聖母を撮影する自分の姿が。FBに掲載されてた。

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「十字架を担うキリスト」(ティツィアーノ

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手前「胸をはだける婦人」(ドメニコ・ティントレット)。向こうは、「花を持つ若い女」(グイド・レーニ

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「ローマ、ヴィッラ・メディチの庭園」(ディエゴ・ヴェラスケス)”空気まで描ける”と言われたベラスケスの小品。”ちょっとコローの雰囲気も。”(高橋館長)ヴェラスケスが、その後の制作に大きな影響を与えたイタリア旅行をした際に描いたもの。

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冒頭チラシにあるアントン・ラファエル・メングス描く若い女は、後に、ゴヤの作品に、このように醜くなって登場しているマリア・ルイサ・デ・パルマ

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ペ ー テ ルパ ウ ルル ー ベ ン ス[ 1 5 7 7 年 - 1 6 4 0 ] 《聖人たちに囲まれた聖家族 》

1630年頃 油彩、板 79.5×64 cm 現在、アントウェルペン王立美術館にあるルーベンスのオリジナ ル 作 品 の 小 型 の 模 写( レ プ リ カ )
王室コレクション

これは、もう少し大きめに写したかったところだが、ルーベンスの傑作と言っていいだろう。アントワープのオリジナルを見たくてしようがなくなる。それにしても、自分の控えとして、縮小して描いても、このド迫力だ。

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スモモとサワーチェリーの乗った皿」(ホワン・ファン・デル・ハーメン)小さすぎて、よく見えないが、安井学芸員絶賛の作品の一つ。キャビネット・ペインティングの代表作。キャビネット・ペインティングとは、貴族たちが私的空間である小部屋(キャビネット)で楽しむための絵画ということで、当然小ぶりとなる。そうした鑑賞に耐えらえるよう、描く方も大作にはないような描き方をしているそうだ。

今回はこうした小品にスポットを当てた展示でもあり、じっくり近づいて見られるよう照明にも工夫を凝らしている。

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大作の多い奇想の画家ヒエロニムス・ボスの「愚者の石の除去」という、実に変わった作品。彼の真筆は、世界で20点しかないそうで、その意味でも、まことに貴重な作品。三菱一号館美術館のHPから引用すると、

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「金細工工房の聖エリギウス」(ミゼリコルディアの聖母の画家)今回展示の102点中、唯一のテンペラ画。1350-1400年に活躍した画家らしいが、ジョットの作風が窺われる。

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「聖母子と二人の天使」(ハンス・メムリンク) 安井学芸員によれば、どれも逸品揃いだが、特に第1室の作品に目を奪われるとのこと。これは抑えておかないと。

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268X110cmの大作「傷を負った石工」(フランシスコ・デ・ゴヤ)エル・バルド宮を飾るタピストリー連作用の原寸大原画(カルトン

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このレオカディア・ソリーリャとされる人物は、ゴヤの内縁の妻で、ゴヤの最期を看取った人とか。困窮時、カンヴァス入手が困難で、古い作品を再利用することがあったらしく、この作品もその一つ。左腕の一部が青みがかっているのが、その名残らしい。

自分で撮影した画像は、主催者から特別な許可を得て撮影したもの。他の画像は同展のホームページからお借りしたものです。