160229 予約初日に電話すれど、1時間ほど経過していたので、すでに満員。あとは取り消待ちということで、半ば諦めていたら、土壇場で当選通知。
出演者、一人一曲ずつという贅沢なプログラム。それにしても、皆さんのうまいこと!Bravo(a,i)をかけ続けることに。最後にアンコールで、実際にこのオペラの最後に歌われる六重唱DI SI FELICE INNESTO (この素晴らしく幸せな結びつきを)
富岡明子さんのうまさは以前から注目していたし、先日の「イル・トロヴァトーレ」のイネスでもそれをたっぷり実証済みだが、今日のロジーナはまた特筆に価するうまさだった。強弱のつけ方やアジリタの巧みさ、ナニコレ!というほどの出来栄え。脱帽です。
久しぶりに聴かせてもらったバリトン、増原英也さん、地声から素晴らしいのだが、何年か前に川口リリアで聞いたリゴレット以来。バルトロのアリア「わしのような医者に向かって」は超絶技巧の超早口言葉の連続だが、難なくこなしたテクニックには驚きあるのみ。
初めて聞くデニス・ビシュニャ(ウクライナ人)のLa Calugnaも、楽しく聴けた。何せ50年以上も前に、当時最高のバス、Nicola Rossi Lemeniの歴史的ラ・カルーニャを聞いているので、つい比較しちゃうけど、ビシュニャ・バジリオも悪くなかった。
中井亮一さんが歌った「もうわしにさからうな」は、マエストロ園田によれば、カットされて上演されることがあるそうだが、すっごい難曲。というのも曲芸のようなアジリタの連続、それも超高音ときているから、なまじの技ではこなせない。それをこれでもかと歌いきったこの人もかなりのテノール・レッジェーロ。6年前に初めて「タンクレーディ」で聞いていて、その時も驚いたと当時のブログに綴っている。
この演目の主役はタイトルロールのフィガロであることは間違いないが、他にロジーナ、それにこのアリアゆえもあり、アルマヴィーヴァ伯爵も主役の一角を担うとマエストロは解説されていた。
肝心のフィガロを演じる上江隼人さん、先日もルーナ伯爵で会場を唸らせたばっかり。今更の言及不要。「私は街の何でも屋」など、それこそ何でもなかったようにいとも楽々歌っていた。味があるねぇ、この方も。
6月の本番で、再びこの至福の時間がたっぷり味わえるのかと思うと今から楽しみである。
コスチュームも素敵な富岡明子さん。明らかな光量不足。スマホ撮影の限界。普通のカメラなら自動的にフラッシュが光るはず。
これも手ブレ。上江さん、申し訳なし。
なぜか気の合いそうな二人。ビシュニャと増原さん。
⬆︎中井亮一さんと。右側に自分の姿があったのだが、あまりひどいのでトリミング。「押しましょうか?」と親切に声がけいただいたのは、なんとマエストロ園田のご母堂。その若さと美しさにびっくり!
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