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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ヘイトフル・エイト」

160307 原題もTHE HATEFUL EIGHT 米 168分 原案・脚本・監督:クエンティン・タランティーノ

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いかにもタランティーノらしい痛快さ。タランティーノ・ファンでなくても、十分楽しめる。西部劇というジャンルより、密室殺人事件を扱うスリラーの要素が濃い。

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ひとくせもふたくせもある正体不明の男女8人、ワイオミング山中、吹雪の中の一軒家、「ミニー洋裁店」で繰り広げられる凄惨な殺人事件。結局全員死亡という、デジャビュの世界。

いかんせん開巻30分ぐらいがやたらに冗長で、眠気を誘われるが、そのあとはスリリングで、一人一人のキャラクターの描き方が、ちょっとどぎついが、さすがタランティーノと唸らせる。

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とりわけ紅一点、女死刑囚、デイジー・ドメルグに扮するジェニファー・ジェイソン・リーが見せる。この女優、我々世代には懐かしいTV戦争ドラマシリーズ「コンバット」(1962-67)で主演のサンダース軍曹を演じたヴィック・モローの娘である。

連行される途中、カート・ラッセルには何度も殴られるわ、至近距離で撃たれた弟の血しぶきをもろに浴びるわ、毒入りコーヒーを飲んだラッセルが思い切り吐いた血だらけの反吐を全身に浴びるわ、まあ、凄まじい顔になっちゃう。

しかも、前歯は欠けたままだし、よくこんな役を引き受けたものだ。さらに、店にあったギターを弾かせて欲しいと懇願、許されると、ひとしきり弾き語り。これがなかなか味のある歌声だが、途中で、怒り出したラッセルが、ギターを取り上げるやいなや、壁に思っ切り叩きつけてバラバラに。

実は、このギター、すごい年代もので、撮影のために某有名な博物館から特別に借り出したもの。歌うシーン以外は4丁も作った別のギターを使用する予定だったのに、ラッセルにうまく伝わらなかったための”悲劇”。かの博物館は、二度と、二度と展示品の貸し出しは拒否するとの声明を出したとか。

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カート・ラッセルも、最初は誰だかわからない。

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ブルース・ダーンはそのままだから、分かりやすい。

タランティーノは70mmのフィルムで撮影し、上映もかつての70mmシアターで上映されることに強いこだわりがあったようだが、今はどこもデジタル方式に切り替わっていて、187分のオリジナル版でなく、168分のデジタルで見た。どのように違うのか興味津々。

#17 画像はALLCINEMA on line, 動画はYouTubeから。