ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ボーダーライン」

160518 下のチラシには、「その善悪にボーダー(境界)はあるのか」というキャッチが見えるが、 原題は、単にSICARIO (シカーリオは西語と伊語で殺し屋のこと)。だが、この邦題はうまい!

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(カナダ人、「灼熱の太陽」2010, 「プリズナーズ」2013, 「複製された男」2013を撮った男だから面白くないわけはない)

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米墨国境付近を根城にする悪名高き麻薬カルテルを叩き潰すことに命をかけるFBI・CIAのエージェントたちの捜索活動を最高の緊迫感で描く。冒頭からエンドロールまでの121分、緊張の連続で、アドレナリンでっぱなし感はハンパない。通奏低音のBGMも効果満点。

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しかし、こんな途方もない作戦に女性捜査官が選ばれた理由が不明。いくら経験豊富で、女としては体力に勝る方とはいえ、足手まといであることは明白。「オール・ユー・ニード・イズ・キル」でも戦士で登場したエミリー・ブラントだが、こんな殺伐とした演技より、やはり「プラダを着た悪魔」や「ヴィクトリア女王 世紀の愛」のような役をやってほしいな。

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ベニシオ・デル・トーロはビシッとキマっていた。寡黙で何を考えているかわからない、不気味な男にはぴったり!本作では、もともともっとセリフが多かったらしいが、彼が監督に進言して8割がたセリフを減らしたとか。確かに、その変更は奏功したと思う。

ところで、この目、それほど眼窩が落ち窪んでおらず、一重に見える目、どこかで見ていると思って、よく考えたら、先日見たばかりの「さざなみ」のシャーロット・ランプリングの目だ。彼女には失礼だが。

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#40 画像はALLCINEMA on lineから。