ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「エヴェレスト 神々の山嶺」

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上演期間終了間際に見ることになった。封切りの3月の時点では、予告編を見て、すっかり見る気になっていたのが、あまりに不評なので、今日まで見合わせていた。たまたま近所の小屋にかかっていたので、どの程度不出来なのか、つい確かめてみる気に。やはり不評であるのもムベなるかなの結果だった。

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役者はそれぞれ熱演しているし、山岳シーンの撮影も結構見応えはあるのだが、脚本がまるでなっていない。夢枕 獏の原作はかなり昔だが読んでいて、相当大部の小説(文庫本で600頁も)だったが、夢中になって読んだほど魅力ある出来栄えだったが、この映画化はまあ失敗でしょう。

そもそも2時間にまとめることが至難だった筈だし、そこへ持ってきて岸涼子(尾野真千子)など、どうでもいいキャラクターを置いたため、肝心の、主人公、羽生丈二(阿部 寛)や、彼をエヴェレストに追って映像に収めようとする深町(岡田准一)の掘り下げ方が不十分で、何を言おうとしているのかが、まったく描けていない、非常に底の浅い作品になってしまったのは、残念というしかない。これでは原作者はたまらないだろう。

ちなみに、昨年、実話をベースにした「エベレスト 3D」を見ているが、このアメリカ映画の方がはるかに画面に惹きつけれられたし、単純比較はあまり意味がないとは思うものの、日本人としてはチト残念!ハリウッド版がエベレストで、角川映画の方がエヴェレスト表記と、なぜか逆にしているのが面白い。

#48 画像はALLCINEMA on lineと作品のオフィシャルホームページから。