ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「シークレット・アイズ」

160615 原題:SECRET IN THEIR EYES 110分 米  脚本・監督:ビリー・レイ(「キャプテン・フィリップス」)

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2009年公開のアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」のハリウッド版リメイク。この作品、見ているのだが7年前のことだから、実はあまり覚えていない。本作を見終わって、かなり違う印象を受けた。多分、エンディングは大幅に変更していると思う。

親しい同僚警官ジェス(ジュリア・ロバーツ)の娘が殺されたことに、人一倍驚きと怒りを覚えたレイ(キウェテル・イジョホー)は、新任の検事補クレア(ニコール・キッドマン)と犯人の割り出しに必死になり、ついに星を上げるが、実は、この男、9.11テロ関連の重要情報提供者の一人ということで、あっさり釈放されてしまう。(原作となった「瞳の・・」ではジェスは男性。ジュリア・ロバーツを出演させたいため、この役を女性に変えたとか)

それから13年、事件のことは片時も忘れたことのないレイ、依然、犯人を上げることに執念を燃やしている。そして、ついに犯人を追いつめると、肝心の被害者の母である同僚ジェスは、まったく予想外の反応を示し、あっと驚く告白をするのだった。

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 この作品の面白さとは別に、現在ハリウッドというより、世界でも最も高額な出演料を取ると言われるこの二大女優の競演が大いに興味を引く。撮影中、この二人、互いに尊敬しあっているからこその、相手への気の使いようだったらしい。

どちらが美味しい役か微妙なところだが、やはり全編すっぴんで通し、凄まじい演技力を示したジュリアの方か。劇中、レイから「それにしてもあんたは老けた!」という台詞通り、ハリウッドの大女優というより、その辺にいる初老のオバハンという感じが強い。そこだけでも、本作を観る価値ありとも言える。

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真犯人捜査に異常なほどの執念を見せるレイ役のキウェテル・イジョホーも素晴らしい演技を見せるが、二人のお姉さんたちがあまりに強烈な存在感を示すから、チト気の毒。

#50 画像はIMdb、およびALLCINEMA on lineから。