160615 待っていた高齢者無料日が今月もやってきたので、有楽町で映画を見た後、上野へ急行、4時15分には入館。嬉しいことにガラガラである。確かに出品作品がやや地味だし、閉館1時間前だから、こんなもんだろう。
パリにあるこの近代美術館には、何度行ったか覚えていないほど入っているのだが、今日見る作品は、実はあまり覚えていない。やはりマイナーな作品しか借り出しに応じてくれなかったのだろう。
それでも全部で71点のうち、よく知られた画家、彫刻家による作品が全体の約3割ほど。(ほぼ一人一点展示)それ以外の作品については、聞いたことのない名前だが、作品自体はそれなりに目をひくものが多かった。
入口を入ったところにある最初の作品はラウル・デュフィの「旗で飾られた通り」三色旗の一部が透けて見えるところが面白い。
ナビ派の代表、ピエール・ボナールの「浴槽の裸婦」自分の奥さんがモデル。
アンリ・マチスの「大きな赤い部屋」油彩画としては、ほぼ最後の作品のようだ。
なんでも包み込んでしまう”芸風”は、クリストの「パッケージ」
他に、シャガール、ブラック、ブラマンク、ブランクーシ、デュシャン、マンレイ、ル・コルビュジエ(ジャンヌレ)(ピュリズムの代表作)、フジタ、パリの街角の撮影で有名なアンリ・カルティエ・ブレッソン、ピカソ、カンディンスキー、ローランサン、ビュフェ、レジェ、ジャコメッティなど。
今回は出展作品が少ないし、大物がないから空間的に余裕があったらしく、展示の仕方が斜めのパネルを設置して、大変見やすい工夫がなされていたのが 良い。1906年のデュフィから1971-77のレンゾ・ピアーノまで、時系列での展示方、素晴らしかったと思う。作品解説、作者の写真入りの簡潔な説明 文も良かった。
前回来た時は例の伊藤若冲展で、これまで見たことのないほどの大混雑で、結局断念したが、今日のようにして美術が鑑賞できればこんなにありがたいことはない。