ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「セヴィリアの理髪師」@日生劇場

160618

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二日間の公演で、青山フィガロの方を選んだ。

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何ヶ月か前に、オードブルコンサートてなことで、さわりだけを見る機会があり、その時のマエストロの話がとても興味深いもので、今日を楽しみにしていた。

オーディションで選ばれたという今日のキャスト陣も、すこぶるバランスが取れた布陣で、歌はもとより演技も大変の質の高いもので、加えて、舞台装置も素晴らしく、ロッシーニの世界へ誘われ、存分に楽しませてもらった。オペラ・ブッファはこうでなくっちゃね。

舞台装置がかなり凝ったものであり、また建物のミニチュア版や、頻繁に回り舞台を稼働させ、まったく飽きさせない演出ぶりにも大変好感が持てた。

フィガロバリトンにしては、かなり高い音域を求められる役だけに、一番高い音をしっかり出す青山 貴さんはやはり日本オペラ界の至宝であることは間違いない。

ロジーナの富岡明子さんも負けていない。この方、もちろん歌唱だけでなく、舞台姿も定評があるが、今日はまた一段と輝いて見えた。またアジリタも、申し分のない出来栄えで、実力を遺憾なく発揮したと言える。

そして、オードブルコンサートでも驚かされたのが、アルマヴィーヴァ侯爵の中井亮一さん。超難度の長いアリアが2幕に出てくるが、よくぞここまでと言えるほど、高音域のアジリタが続くのだが、これを難なくこなす余裕ぶり。凄いの一言!

他の主要キャストも、皆さん、持てる力を存分に発揮して、見事な舞台を作られた。Molto Braviです。

ところで、日生劇場だが、最近の改装工事で、見違えるほど綺麗になっていた。限定的な改装であるが、やはり客席やロビー周りを常にきれいに保つことは大事なことで、東京のど真ん中にある一流の劇場だけに、こうしたことに手を抜くような劇場であってはいけないと思う。

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