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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

オペレッタ「メリー・ウィドウ」@杉並公会堂

オペラ

160724

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伝統の手作り区民オペラ、今年も嬉しい演目だ。毎度のことながら、AかBかで大いに悩む。どちらにも応援するソリストたちが出るからだ。できることなら両日来ればいいのだが、現実にはなかなかそこまではね。

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出演者の一人から取ってもらった席は、これ。

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1階客席の前方はオケスペースになっているから、そこから3列目とかなり近い。ひょっとするとオケの音が歌手の歌声の邪魔にならないか、懸念したが、杞憂に終わった。

楽しくなければ、オペレッタにあらず!その意味で、この公演は大成功だろう。結構派手に笑わせてもらった。時事・社会ネタを織り込んでの構成は、全体的に客席では受けていたと思う。

常々応援しているテノール青栁素晴さん、今回はカスカーダという地味な役。ところが、いつもはそれほど注目してないこの役、結構出番があるのだ。そもそも、第一声は彼の歌声で始まるし、要所要所で絡んでくる。

しかし、後で聞いて驚くのだが、この日、腰を痛めていて、実は大変だったらしい。それほどの激しいアクションはないものの、多少の階段の上り下りは、平面移動はそこそこあるから、顔や声にはださねど、相当苦痛だったらしい。もちろん見ている側はまったく気付かなかった。よく頑張った!!!

主役のハンナ役の菊池美奈さん、中堅どころとして、その演唱には定評があるが、かなり余裕を持って歌ったり踊ったりしていた印象。相変わらずリリックな発声が杉並公会堂によく響いた。

対するダニロ役の北川辰彦さん、長身、イケメン、歌唱と三拍子揃っていて、本役にもうってつけ。ただ、かなり高い音域のアリアが幾つかあり、彼の得意の音域を若干だが、オーヴァーしているような気がした。

ヴァラシエンヌの三井清夏さん、つい先日もサントリー・ブルーローズで演奏会形式のドン・ジョヴァンニでツェルリーナを聞いたばかりだが、早くもこんないい役を続けて演じている。細部はまだまだ勉強の余地を残しているとは言うものの、この若さで、よくこなしていたと思う。今回は、グリゼットの歌では、カンカンも披露してくれて、図らずも美脚も披露。人気急上昇は間違いないところだろう。

私の好きな場面「グリゼットの歌」

 この場面、ソプラノには、かなり低い音を求められるが、もう少しだけ響かせてもらってもよかったかな、などと思いながら、聞いていた。

他にカミーユ佐々木洋平さん、大分で研鑽を積み、もともとは打楽器奏者だったらしいが、途中で声楽に目覚め転向という、ま、それほど珍しくもないケースだが、いやまぁ素晴らしい高音が出せるテノール

なんでも後で聞いたところによれば、前日の公演で、実に3人もが怪我などで急遽出演を取りやめたため、今日の出演者がそのまま昨日も出て、まさかの二日連続出演と過酷な条件となり、気の毒だった。こうしたハプニングは常につきもの、常にその用意をしておくべしということだろう。

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ヴァランシエンヌは、初々しさの残る三井清夏さん。お化粧のせいもあり、随分妖艶な仕上がりだ。

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ダニロは北川辰彦さん。何しろこの顔で長身ときているから、例のハンナと踊る「唇は語らねど」のシーン、しびれたねぇ。どうもあの旋律を聴いただけでウルウルしちゃうから困ったもんだ。

"Lippen Schweigen" プラシド・ドミンゴアンナ・ネトレプコの組み合わせ。歌はいいのだが、ヴィジュアル的には、娘と老いた父という雰囲気かな。

ところで、今回の公演は全編日本語(それが杉並オペラの方式)なのだが、いつも聞いているの翻訳とは異なる訳を用いているので、アリアによっては、多少違和感があるし、歌い手にとっては、暗譜がどれほど大変だったろうかとお察しした次第。

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