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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「シン・ゴジラ」

160802 製作・脚本・監督:庵野秀明 120分 そもそも庵野秀明にもエヴァンゲリオンにも興味がないし、ゴジラファンでもない。それに予告編を散々見せられて、いい加減うんざりしていた。それでも観に行った理由は一つ。それは本作では、ゴジラが我が家の目の前を流れている呑川を遡り、蒲田が最初の上陸地点と知ったからだ。

さらにこの作品を見た映画館がテアトル蒲田と、まさにうってつけの場所。ところが、この映画館、間も無く取り壊しになる建物に入っていることもあり、いつ行っても、観客が10人以上は滅多にない。ゴジラ上陸の蒲田ですよ!って少しは張り紙でも出すようなことは一切しない。

というわけで、今回も中はガラガラ。とりあえず、潰れる日までは続けますよ、という姿勢で、営業努力など、一切なしで、おじちゃん、おばちゃんがもぎりなどして、日がな一日退屈そうにしている。

そんなわけで、まったく期待していなかったから、落胆も何もなし。ゴジラ東京湾から狙いを定めて呑川河口付近へ近づいたから、その辺りにあった小型船舶が折り重なるようにして呑川を遡ってくるシーンは、なかなかの見ごたえ。

予告編を見て、一気に見る気を失ったのは、ゴジラ本体がいかにも安っぽく見えること。ハリウッド製の方がはるかに良くできているのは否めない事実。しかも、蒲田から第2京浜辺りを移動する際に、初めてゴジラがその全貌を現すのだが、あまりにとぼけた顔に思わず笑ってしまった。だが、実はまだこの時点ではゴジラは子供であり、その後徐々に成長していく過程で、表情にもそれなりの怖さが出てはくるのだが、最後まで安っぽさは拭えず、動きもぎこちないまま。今のCG技術を持ってすれば、どのようなリアルな映像を作れたはずなのだが、監督に何かこだわりがあったのかも知れない。

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全然怖くない日本のゴジラ

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東京駅に追い詰めて、山手線や京浜東北線の先頭車両に火薬を詰めて攻撃するなど、様々な工夫があって、幾多の犠牲を払いながらも、ついに仕留めて終わるが、まるで直下型地震に襲われた後のごとく大東京は灰塵に帰す。東京はこれまでも何度も戦争や災害で破壊されてきた都市、もちろん今回も不死鳥のごとくたちまち復興させるという強いメッセージを発して、終わる。つまり、ゴジラが暴れ回る画面より、政府一丸となった対応にほとんどの時間が割かれていた。甘利さんそっくりの閣僚がいたり、女性の防衛大臣余貴美子)のはっきりとした物言いは、新都知事を彷彿とさせるし、そんな風に見ていると結構興趣が湧いてくる。

さらに、自衛隊にどこまでの攻撃をさせるかで首相が悩んでみたり、米国がさっそく介入してきて、主導権を取りそうになったり、現行の日米同盟のあり方について考えさせられる場面など、うまく取り入れている。

日系という設定で登場する米国側の代表、大統領特使役の石原さとみのしゃべる英語が不自然そのもの、そうなると不思議なもので、演技の方も何やら取って付けたようで、全くもって見ちゃいられなかった。

特に主役はいないが長谷川博巳が一番登場頻度が高かったかな。それにしても、ちょい役まで有名俳優を使っているから、エンドロールの長いこと!ほとんどハリウッド超大作並みの長さだった。

ゴジラ第1作へのオマージュなのか、東宝のシンボルマークも新しいものの後にご丁寧にも昔のシンボルマークも流し、エンドロールでは、あまりにも有名な伊福部昭の曲をずーっと流していた。

ところで、このタイトルは何なんだ。Newゴジラなのか、それともThinゴジラなのか、意味不明。

#61 画像はALLCINEMA on lineから