ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

フェスタサマーミューザ第12日「生誕110年!ショスタコヴィッチの『革命』」by 昭和音大管弦楽団

160809 今年のフェスサマもいよいよ終盤、今日は、昭和音大の演奏会を聴いてきた。

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団員が登場して、あれ、何か感じがいつもと違うなと感じたのは、もちろん女性が圧倒的に多い(多分、8:2ぐらい)のは珍しくないのだが、その女性楽団員は、手前の弦楽は全員ロングスカート、奥の管・打楽器はパンツルックと分けていること。

あらゆる楽器に女性が登場するが、シンバルだけは、いまだかつて女性の姿は見たことがない。やはりよほどの重さのものを振り回すのだから、これだけは依然男子の”聖域”か。

学生のオケでも音大となれば、卒業後すぐプロを目指す人が大半なのだろうから、まあ当然といえば、そうなのだが、本当にうまい!数多あるアマオケの中でもトップクラスに間違いなく入る楽団である。

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ショスタコヴィッチの交響曲第5番「革命」は、当日配布の資料によれば、1937年11月21日開催の革命20周年記念演奏会で初演された。この演奏会が特に注目されたのは、その前年にソ連の機関紙「プラウダ」が、彼の「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、バレエ音楽明るい小川」を「荒唐無稽、反社会主義リアリズム」と酷評していて、実は作曲家はこの時、命の危機に瀕していたのを聴衆が知っていたからである。

しかぁ〜し、終わってみれば、嵐のような割れんばかりの大喝采が何十分も続いたというから、ショスタコヴィッチもなんとか処刑を免れたことに。恐ろしい話だ。そして、恐ろしい国だ(今でも!)

ということで、この曲を聴くと、また少し違った興趣が湧いてくる。何れにしても壮大極まりない大曲であるのは間違いない。弦による優しい調べも際立つが、全体に管楽器の出番が多く、中でもホルン他金管が吠える吠える。ホルンがトロンボーン並みに超低音を出し続ける箇所が何度かあるが、滅多に聞いたことがないほど。それはそれで技術が要る奏法だろう。比較的耳に馴染みやすいメロディーが、姿や奏法を変えて、何度も繰り返されて、打楽器総出で華々しく終演となる。

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