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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ニュースの真相」

160810 原題:TRUTH (原作はTruth and Duty) 豪米合作、125分 脚・監:ジェームズ・ヴァンダービルト(これまで脚本は何作も書いているが、監督としては第1作)これも実話をもとに作られた作品。「スポットライト」にかなり共通する内容。

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"真実?"が権力に屈する瞬間を、ある女性プロデューサーを通して描いた骨太の社会派ドラマ。2004年、ジョージ・W・ブッシュが再選を目指している時に、彼の軍歴詐称疑惑を報道したCBSの"60 MINUTES"に対して、上からの権力に締め上げられ、ついにその力に屈っして、辣腕女性プロデューサー、メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)はCBSから解雇、また人気キャスター、ダン・ラザーロバート・レッドクリフ)は降板となる。

改めて報道のあり方、メディアの立ち位置などが問われる、まことにタイムリーな作品になっている。ただ、証拠固めが不十分で、ブロガーからくだんの証拠文章には、当時使用されていなかったフォントが使われるなどの指摘を受け、当初の目論見は徐々に破綻していく。(おいおい、この程度で放映しちまったら、まずいだろう、そりゃ)

原作は主役のメイプスが書いているので、彼女の主観が含まれていることは割り引いて見る必要があるかも知れないが、見応えはたっぷり。

終盤、ダン・ラザーが番組を降りることを告げるシーンで、視聴者に語りかける言葉が実に素晴らしく、ホロリとさせられる。そのあと、自宅にいるダンがメアリーに電話をかけ、自らの心情を伝え、最後に「勇気」を忘れるな!とメアリーを励ます場面もいい。

ジャスミンキャロルを演じてきたケイト・ブランシェット、このメアリーも素晴らしいというか、かっこよすぎだろう!アカデミー主演女優賞モノであることは間違いない。2003年度製作のヴェロニカ・ゲリンを彷彿とさせる。アイルランドにおける麻薬撲滅を身を賭して暴こうとして、ついに凶弾に倒れた若きジャーナリストを描いた作品。

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⬆︎外部調査委員会で、居並ぶ強面の調査員を前に、隣席の弁護士の制止を振り切り、クビを覚悟でメアリーが堂々と反論をぶつける姿も強く印象に残るシーンの一つ。

アメリカの話だが、ほぼ全編オーストラリアで撮影された。理由は、主演のブランシェットが、自宅で子供と過ごす時間を多く持ちたいということだそうで、そんな個人的な理由が通ってしまうのも凄いね。

#62 画像はIMdbから。