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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「椿姫」@The Station Studio Hatagaya

オペラ

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最近、コンサートホール不足で、上演する側は、あちこち会場探しに大わらわだろう。そんな中、幡ヶ谷駅に接続する商業施設内の小さなホールで本格的なオペラの公演が行われた。収容客数は40前後だろうか。狭い上に天井は低く、しかもかなりの変形ときているから、えらい制約の下での演技を強いられ、さぞ大変だったろう。多目的と言っても、多分、会議室として使われることが一般的なホールだろう。

3年ほど前に、ここで同じ西本真子主演のマダムバタフライを見たのが最初。その時とは舞台と客席が入れ替わったセッティングに。ドアが三ヶ所ついているのが特徴的で、今日はこれを演技者の出入りに巧みに利用していた。また入口と反対側の壁面には全面ミラーが貼ってあり、これも効果的に利用できそうで、工夫すれば、こんな空間も立派なオペラ劇場になってしまう。

スタッフと言ってもピアニストぐらいだから、舞台装置(小道具)の出し入れは、歌手自身で行わねばならず、脇役陣は大忙し。ま、これも若いうちの良い経験になるだろう。

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今日は、西本真子のための公演と言っていいだろう。脇役陣は、彼女の出身校の後輩たちで、いずれも30代前半。(ちなみに数年前の「蝶々夫人」の時は、主役が一番若く、脇を錚々たるベテラン、樋口達哉谷 友博などが固めていた)

狭いから熱気で出演者は、皆汗だくの熱演で、ちょっと気の毒だった。換気が十分でなかったかもしれない。見る側にとっては、とにかくすぐ目の前で演技が繰り広げられるから、息遣いも聞こえれば、汗ばむ様子も見えるし、この辺は大ホールでは味わえない極小ホールゆえの”特典”かも知れない。

西本真子の出来栄えはすこぶる上々で、後で聞いたら、ホールの狭さを考慮して、少しセーブしていたところもあったらしい。「花から花へ」の例の最大の聴かせどころと言える最終音は悠々とEsを出していた。喉はよほど強靭らしく、8月のトロバトーレでも感じたが、さあてこの先どこまで進化し続けるのか、大いに楽しみ。

脇役陣では、ジェルモンの井出壮志朗がちょっと楽しみな存在。有名な「プロバンスの海と陸」の堂々たる歌いっぷりは大いに印象に残った。間もなく、奨学金で海外へ留学するらしいし、期待したい。

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終演後、ホール内部でファンと交歓、写真撮影やおしゃべりで15分ほど。中央、チェックのジャケットはアルフレードを好演した橋本晃作さん。甘い優しい声。2幕の詠唱で、一度だけハイCを出していた。時刻は4時45分。終演から15分経過。

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壁面全体にミラーが貼って、広く見える工夫も。

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疲れよりホッとした安堵感漂うヴィオレッタ真子。衣装は4着も用意されていて、どれも素晴らしかったのだが、これしか撮影できなかったのが惜しまれる。

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フローラを演じた和田朝妃さん。和田さんは、すでに相当舞台には出ている印象。歌唱も演技も文句なし。

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ジェルモンの井出壮志朗さん。顔が柔和だから、スカルピアは無理だろうけど、結構いいところまで行けそうな予感。