ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「人間の値打ち」

161025 原題:IL CAPITALE UMANO(そのまま)  伊仏合作 2013年(!!!)作品。(今頃!?ま、見れないよりはいいけど)

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あまり期待していなかったが、意外に面白く見た。キャスト・スタッフ陣で知っているのは、ヴァレーリア・ブルーニ・テデスキだけ。パオロ・ヴィルツィ監督の5作目で、日本に輸入されたのはこれが最初の作品。知られてないのも、無理はない。脚本も担当。音楽を担当したカルロ・ヴィルツィは、兄弟だろう。「神様の思し召し」の音楽を担当した。

あるひき逃げ事件で、関係者(ふた家族)の言い分が少しずつ異なり、それを黒沢の「羅生門」によく似た手口で種明かししていくという、なかなか見せ場を作っていて、結構引き込まれながら、最後まで楽しめた。オススメ作品。時間軸、空間軸を巧みにずらして、すでに見たシーンをまったく別の角度から見るという手法はたまらないね。

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ヴァレーリアさん、その名前(テデスキはイタリア語でドイツ人の意味)の通り、イタリア人ぽくなく、どこか上品でいて、影のあるタイプ。本作の役もまさにぴったり。

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扮する役どころは、富豪の夫人。投資会社経営の亭主、大口の投資に失敗、雲行きが怪しく。バカ息子は連夜のようにハレンチな行動で、問題ばかり引き起こして、八方塞がり。ほんじゃ、アタシは浮気でもするかってんで・・・。最後はまあこの通り、ナニゴトもなかったのごとく丸〜く収まるんだけどね。

#79 画像はALLCINEMA on lineから