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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ジュリエッタ」

映画

161114 原題:Julieta (スペイン語だとフリエタと発音。邦題は、イタリア語Giuliettaの発音になっている。)スペイン 99分 脚本・監督:ペドロ・アルモドバル、製作:アグスティン・アルモドバル(ペドロの弟)

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アルモドバル、3年ぶりの登場。女性主役のヒューマン・ドラマとしては、ペネロペ・クルス主演「ボルベール 〈帰郷〉」(2006)以来となる。三つの異なる短編が原作。内面を鋭くえぐるような心理描写の冴えは相変わらずだ。

恋人とポルトガルへ移住する決意をしていた、マドリッドで一人暮らしのジュリエッタ、街でばったり出会った娘の親友だった女性から、12年前に失踪して連絡が取れなくなっている娘を、コモ湖近くで見かけたと告げられる。

激しく動揺したジュリエッタは、移住の決意を翻し、昔、娘と暮らした古いアパートへ引っ越すことに。

画面は突然、20年前のジュリエッタへと。鉄道旅行で目の前に座った男の自殺、同じ車内で直後に知り合った男との激しい道ならぬ恋、漁師だったその男の海難事故死、二人の間にできた娘との、豊かでなくても幸せな暮らし、そしてその娘の謎の失踪。

画面は再び現在のジュリエッタ。心のバランスを著しく欠いたジュリエッタ、車が激しく行き交うマドリッドの街角で信号待ちをしていて、急に車道にフラフラと飛び出し車にはねられてしまう。反対側からそれを見ていた元カレが駆け寄り・・・。

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⬆︎出すあてのない手紙を、古いアパートの一室でひたすら綴るジュリエッタ。

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アルモドバル作品に興味があっただけでなく、主演の一人、⬆︎アドリアーナ・ウガルテを大きな画面で見たかったことも、この目立たない作品を見るきっかけに。彼女、NHK海外ドラマ「情熱のシーラ」の主役で初めてその存在を知った。このドラマ、例の大ヒット英国製ドラマ「ダウントン・アビー」地上波放映終了後に登場したドラマで、内容はまあまあだったが、この女優だけが強く印象に残った。

20年の時を隔てた人物を、二人の俳優が演じること自体、珍しいことではないが、本作では、かなり違和感がある。二人の女優の年齢差はちょうど20なのだが、老いたジュリエッタを演じるエマ・スアレス(52)がめっぽう若いのが一因だろう。もう少し老けさせた方がリアリティーが出ただろうに。

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二人のジュリエッタに挟まれたご機嫌なアルモドバル監督。本作でも、スタイリッシュでおしゃれな画面作りがまことにお上手だ。

#84 画像はIMdbから