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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ナクソス島のアリアードネ」@日生劇場(ライプツィヒ歌劇場との提携)

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やはりこれだけの舞台を見せられると、チケット代が少々高くても、これからも年に何回かはオペラの本公演は見たいものだ。今日の舞台は、標題にもあるが、ライプツィヒ歌劇場との提携でもあり、最近でもとりわけ出色だったと思う。指揮、演出、舞台装置が本場のものなら、後はすべて日本人でも、こうしてとんでもなく素晴らしい公演ができることを、二期会はまざまざと証明してくれた。

今日は左セクション右端で、前から7列目という願ってもないポジションで、心ゆくまで本格的なオペラ公演を楽しむことが出来た。

このオペラはプロローグと1幕という、かなり変則的な構成。幕が開くと、奥に地下駐車場(これが実に精緻に作られているのに驚く)が広がる、稽古場と思しき地下室の一室。下手に地上階との連絡口、その奥に男女のトイレの入り口、上手側にも奥に化粧室のような小さな空間がしつらえてある。

そこで、作曲家、音楽教師、舞踊教師、かつら師、歌手たち、道化役、そしてスポンサー代表の執事らが、これから上演されるオペラの打ち合わせを始めるが、なかなか話がかみ合わず、騒々しいうちに幕となる。

次いで、1幕は、本来ナクソス島の洞窟なのだろうが、本公演では、邸宅の大広間、奥には窓越しに広々とした空間が広がり、上手側にバーコーナーがある。幕が上がるとゆっくりとしていても動きのあるのはアリアードネだけで、他の登場人物はすべて何らかの動きを途中でピタリと止めている。前奏が3分ほど続くから、人によっては、かなり無理なポーズのままの静止で、これは相当ハードだ。

終演部は、逆に”動から静へ”徐々に変化していく演出がすばらしい。そして静止した人物が一人、また一人と順に床に倒れ伏して、最後は、自分が神と言ったバッカスも倒れて幕という趣向。

いやはや、キャスト陣は、一体どんだけハードな稽古を積んだのか、本当にご苦労さまと言いたい。

とにかく出演者の数が多いし、それに比較的歌唱の少ない端役”に至るまで立派な歌手を揃えるキャスティングの苦労は並大抵ではなかったろう。

そんな中で、やはりアリアードネの 正子、ツェルビネッタの高橋 の独唱場面は抜きん出てすばらしく、特筆されてしかるべきだろう。いやぁ〜記念碑的な舞台を見てしまった。

#68