170105 ルーカス・クラーナハ父 (1472-1553) の作品(油彩やエッチング)を中心に、同時代のアルブレヒト・デューラーや、彼の影響を受けたとされる後世の画家の作品など90点以上を集めた展覧会。副題の「500年後の誘惑」とあるのは、彼の親友でもあったマルティン・ルターの宗教改革から今年が500年にあたることから。
久しぶりにおかみさんと連れ立って、美術館へ。
これまで長いことずーっとクラナッハと日本では表記され発音されていたものが、急にクラーナハと来た。スタッフに念のためそのことを確認すると「ウチの学芸員がこの方が現地での発音に近いので」としらっとのたまう。そんなこと言うんだったら、他にも修正して欲しい固有名詞は山ほどあるんだけど、ここでそんなこと言っても始まらないから、「ああ、そうですか」で終わり。
1508 「聖カタリーナの殉教」
1532 「ヴィーナス」 透明な衣紋が効果的に使われている。人体の描き方が、解剖学的には奇妙だと、先日、NHKの日曜美術館で専門家が言っていた。
1537 正義の寓意 ユスティティア なんとも奇怪な構図である。画家の意図はどこにあるのか。
1525 ホロフェルネスの首を持つユディト
1525 マルティン・ルター これは見たことのある人も多いはず。ルターと言えば、この絵が良く使われる。肖像画家としての並々ならぬ才能が最も良く出た傑作。
レオナルド(1452-1519)やミケランジェロ(1475-1564)とほぼ同時代を生きた人物だが、こうも作風が違うことを思い知らされた。北方(アルプスの北側、フランドルやドイツなど)画家を代表するクラーナハの作品をまとめて見られるいい機会だったことは間違いないが、結局はあまり好きにはなれない画家の一人であることを改めて感じた。