ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「天使にショパンの歌声を」

170127 原題:LA PASSION D'AUGUSTINE (オギュスティーヌの情熱)カナダ 脚本・監督:レア・プール

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ケベック州カトリック系寄宿学校のお話。経営難から、廃校の危機に瀕している名門女子高の売りは音楽(ピアノと合唱がメイン)。危機に立ち向かう校長は、「売り」にしている音楽教育にさらに力を入れ、世間に訴える策に出る。

一方、全体を取り仕切る総長は、金のかかる音楽教育撤退論をかざし、二人は激しく対立する。そこへ、校長マザー・オギュスティーヌの姪、アリス(リザンドル・メナール)が転校してくる。心を閉ざした問題児ながら、ピアノ演奏には天才的な閃きを見せる。

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⬆︎アリスにバッハを弾かせる伯母の校長オギュスティーヌ、演奏途中で突如ジャズ風に弾き始めるアリスに驚きと戸惑いが。

そして起死回生の命運のかかったコンクールで、アリスが見事なショパンを演奏し、聴衆に深い感動を与え、オギュスティーヌは"勝った!”と思ったのだったが・・・・

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⬆︎これぞ天使の歌声、アヴェ・ヴェルム・コルプスフォーレのレクイエム、ヴィヴァルディの合唱曲グロリアなど断片的だが、素晴らしいハーモニーを響かせる。

まあまあの作品。終演後、周囲を見ると9割以上が女性客。因みにアリスを演じたリザンドル・メナールはプロのピアニスト。さすがの演奏である。また、アリスの親友シュザンヌを演じたエリザベス・ガニョンのアカペラでの演唱「別れの曲」も心を打つ。これは、イタリア系シャンソン歌手、ティノ・ロッシが仏語で歌って知られるようになった。

#5 画像はIMdb及びALLCINEMA on lineから。