ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

佐藤美術館へ

170228 東京では随分いろんな美術館へ行ったと思うが、都心にこうして初めて行く美術館もあるんだ。

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分かりにくい場所にあり、探訪大好き人間でも、今日は少々手こずった。

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街角の美術館という風情だが、2階に受付とショップ、3〜5階が展示室。監視カメラ作動中という表示と、撮影禁止のアイコンは一応見えるが、展示室は全くの無人。訪問客も自分以外はわずか二人という、美術鑑賞にはもったいないほどの環境である。

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一人だけ気になる画家は山本大貴(ひろき)という若手。

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超細密人物画を得意とするようだ。”究めた”という、これ以上ないほどのリアリティーに釘付けになる。髪の毛、肌や、持っているピューターの質感など、まだ若いのに、大変な技だ。

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帰路は、たまたま走ってきた都バスに乗って、千駄ヶ谷、霞ヶ丘(ここに立地する有名な都営団地⬇️、すでに住人の姿はなく、取り壊されるのを待つばかり。1946年に100戸がたてられ、前回の東京オリンピックの1964年に10棟300戸に建て替えられた。)、原宿、代々木体育館などを経由して渋谷まで”遊覧”しながら、移動。

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さらに、ここから東横線で中目黒へ。来週に迫った東日本大震災鎮魂コンサートの合唱練習の仕上げ会場へ向かった。今日は立ち位置が決まり、その順に着席。いよいよだ。

フォーレのレクイエムを通しで練習。マエストロから”三位一体”(横隔膜、喉、唇)、Sul fiato(息に乗せて)、指揮棒の読み方など、細部に渡って再三注意の声が飛ぶ。なかなか自分の意図通りに歌えないジイさんバアさん相手に、相当イライラしているはずなのに、一切表情には出さず、むしろにこやかに冗談を交えて伝えようとする姿は、感動的ですらある。