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ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「これぞ暁斎!」@Bunkamura ザ・ミュージアム

170323 ブロガー対象の内覧会に参加した。

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⬆️⬇️は配布されたチラシから抜粋

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河鍋暁斎がどれほど凄い画人だったか、人並み以上の情報は持っていたつもりだったが、本展で展示されている173点にも及ぶ作品群を見て、しばしボーゼンという体たらく!いやはや、凄まじいまでの画力・筆力を備えた画家がいたものと、今更ながら呆れると同時に、同じ日本人として誇らしく感じさせられた展覧会と思った次第。

暁斎の略歴を展覧会ホームページでは、以下のように紹介している。

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内覧会は7時半にスタート。まずは中村剛士さん(⬇︎右端)×チバヒデトシさん×黒田和士学芸員(同じく左端)によるギャラリー・トーク。ここで展覧会概要の解説があり、その後、厳選された代表作を巡りながら、詳細な説明が入るという、ありがたい趣向で進行。あとは自由鑑賞と撮影タイム(1点撮りは厳禁)となる。(以下に掲載する画像はすべて主催者から特別な許可を得て撮影したものです。

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世界屈指の暁斎コレクターという触れ込みのイスラエル・ゴールドマンのコレクションの一部らしいが、まあよくぞここまで収集したと驚くしかないが、収集のきっかけ、第一歩となったのが、この小さな作品だったというのも面白い。

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『象とたぬき」(1870)という小品。大きな象と小さな狸がユーモラスに描かれている。対象物に対する優しい眼差しを感じることができる作品の一つである。

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入口付近のちょっとしたスペースの三面にずらりと掲げられているのはカラスばかり。全部で14枚。暁斎は全部で30点ほどはカラスの作品を残しているということなので、展示されているのは、ほぼ半分程度ということになる。

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彼の作品群の中で、極めて特異な位置を占める枝にとまるカラス。ものすごい筆のスピードが実感できる作品群だ。

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鍾馗さんも彼が得意としていた題材のようだ。上の三枚は、依頼主がいたので、真面目に描いているが、左側には⬇︎鬼を崖上から吊り下げてみたり、サッカーボールのように空中高く蹴り上げているなど、自分の好きなように遊び心でユーモラスにのびのびと描いていて、この辺りにこそ、これぞ暁斎!の面目躍如たるところが感じら、みている方もつい笑みがこぼれる。

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おそらく自分で実際に見ることがかなわなったであろうに、こうした大型動物たちをも見事な筆騒ぎでものにしている。

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右側の作品にも描かれているが、彼の作品にしばしば登場するのは、こうした骸骨や髑髏、幽霊など。来世をごく身近に捉えて、それを見るものに伝えたかったのだろうか。

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出口に近い位置に掲げられているのは、六曲一双の屏風絵、「百鬼夜行」。可愛らしい妖怪たちが右から左へと行進していき、左端の大きな火の玉を見て、慌てて逆行する姿を描いている。

彼の作品に心酔した人の中に、英人建築家ジョサイア・コンドル(1852-1920)がいる。政府のお雇い外国人として来日、日本の近代建築に大いなる貢献をした人物だが、趣味人としても有名で、やがて暁斎に師事し、暁斎から画号を贈られたりしている。もちろん自身、多数の絵画作品も残し、また英国では暁斎を詳細に紹介する本を出版している。そのような事情もあり、国内以上に、暁斎の名は欧米で広く知られるようになった。

会期は4月16日まであと三週間あまり、本当の暁斎を知る絶好のこの機会を逃す手はないと思うが。