ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「キングコング:髑髏島の巨神」

170412 原題:KONG: SKULL ISLAND 米 118分 監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ

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これまでのキングコングの映画作品はそのほとんどを見ている(もちろん、オリジナルの1933年作品はテレビ映像でのみ)が、いよいよ超弩級作品の登場である。とにかく、これまでのどのコングよりデカイ!!

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飛行中のヘリを鷲掴みにして吹っ飛ばす場面のど迫力!自分が支配する領域へ、勝手に商売目的でズカズカ乗り込んでくる人間に対し怒りを爆発させるのは、これまでの作品と共通するテーマ。ただ、まるでスケールが違うことと、最後は悔い改めて人間たちがここを去ることに理解を示し、天敵であるオオトカゲから人間を守る側に回るのが異なる点だろう。

第2次対戦、南太平洋で空中戦を演じていた日米のパイロットが偶然、なの知れぬ無人島にパラシュートで落下、敵同士だから、必死の殺し合いをしているところに、コングが登場するから、戦っている場合じゃない。二人は手を組んで、生き延びる方策を編み出す。

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それからおよそ30年後、未知の島発見の報に接し、軍に援護してもらいながら調査団を送るアメリカ。島をすっぽり覆う稲光の雲霧を抜けたヘリ群は、島に接近。この場面は明らかに「地獄の黙示録」に対するオマージュ映像だろう。船がジャングルの中の川を遡るシーンも「地獄の黙示録」を思わせる効果はたっぷり。

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上陸はしたものの、島にはコングの他にも巨大オオトカゲ、巨大な蜘蛛、同じくナナフシ、水牛など、巨大化した生物が滅多やたらに登場するから、調査どころではない。

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何名もの犠牲を出し、早く脱出しようとする民間人側と、不明者を救出しようとする軍が激しく対立、さらに第2次大戦生き残りの飛行士、マーロウ(ジョン・ライリー)も加わり、動きが取れなく一行。

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調査団の主要人物ランダ(ジョン・グッドマン)も、この直後、オオトカゲに一呑みにされる。

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ナパーム弾で、コングを焼き殺そうとする、ベトナム帰りのパッカード大佐(サミュエル・ジャクソン)のアイディアも、成功かと思われたが、不死身のコングが炎の中から蘇り、大佐の前にその巨体を見せる場面。

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このオオトカゲに何名の犠牲者を出したことか。最後のコングとの死闘は本作最大の見せ場。女流カメラマンのメイソン(ブリー・ラーソン)を救ったばかりか、死闘の末、オオトカゲを仕留めるコングの目覚ましい活躍で、今や小員数になってしまった調査隊が辛くも逃げ切ることに成功。結局のところ、これまでのコング作品同様、最後は人間の傲慢さだけが浮き彫りにされ、その意味では後味の悪いこと。超弩級の映像が楽しめれば、それで十分!エンドロールの後に、映像が続くので、最後まで席を立ってはいけない。

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⬆︎撮影風景 主にオアフ島、オーストラリア、ベトナムが撮影現場となった。

エンドロール近くで流れるVera LynのWe'll meet again. 

#18 画像はIMdbから