ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」

170608 原題:LO CHIAMAVANO JEEG ROBOT 伊 119分 監督:ガブリエーレ・マイネッティ

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珍しい作品を見た。去年のイタリア映画祭出品作品らしい。イタリアのテレビで放映された日本のアニメ「鋼鉄ジーグ」が人気沸騰で、実写版が生まれたというからちょっとした驚きだ。

f:id:grappatei:20170609094828j:plain荒廃するローマ郊外に住む、しがないチンピラ稼業のエンツォ(クラウディオ・サンタマリーア)が、ある日、敵のヤクザに追われ、逃げ込んだテベレ河畔に繋がれが工事船で全身に放射能を浴びてしまう。気がつくと途方もない力を持つ特殊ボディに変身している。

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なんと暖房のラジエーターを折りたたんでしまうという馬鹿力!早速この特殊能力を生かして大暴れ。最後は人のため、人類のために秘めた能力を発揮できて、初めて安らぎを得るエンツォだった。

他愛もないストーリーだが、イタリア映画界が大真面目で日本のアニメの実写版を作ること自体が、日本人には若干面映ゆい。昔、1964年だったか、黒澤 明の「用心棒」がメキシコを舞台にした「荒野の用心棒」としてリメイクされた時のことを思い出す。

それにしてもこの邦題はひどい。原題を直訳しているのだが、せめて「人呼んで鋼鉄ジーグ」とか、「鋼鉄ジーグと呼ばれた男」ぐらいには出来なかったのか。

 

#33 画像はALLCINEMA on lineとIMDbから。