ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「夏の夜に紡ぐ歌」@アルテリーベ東京

170705 梅雨空の下、内幸町経由でアルテリーベに出かけた。食べながら飲みながら一流の歌手が登場して、様々なジャンルの歌を聴かせてくれる”小屋”は、近年どんどん減っているので、今や、銀座7丁目の音楽ビアプラザ ライオンと並んで、ここは貴重な存在になっている。

幸いなことに、予約もしていないのに、舞台を正面に見る最後列(4席しかない)に陣取ることができた。やはりこういう場合は、早く来るに越したことはない。

今回のお目当はメゾソプラノ星 由佳子。昨年末、杉並公会堂での第九の舞台で図らずもご一緒できたのが縁で、何度かその後も聴かせてもらっている。

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手書きの演目メニュー、字が大きいのを幸いに、横着してこれで見ていただこう。

今回、アレっと思ったのは、ヴァイオリニストが加わったことだ。志村寿一は長くニューヨークで活躍されていた方のようだ。毎回、星の伴奏を務める片岡和子とは既に共演しているので、その関係で今回、この舞台に登場することになったのか。

確かにヴァイオリンが伴奏に加わる効果は絶大で、星の歌唱に華やかな彩りを添える結果となった。

構成はご覧の通り、バッハから日本民謡まで、歌う言語もさまざまだが、今回はヘブライ語ユダヤ教の祈り「カディッシュ」)まで加わるという賑やかさだ。

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第1部、「マタイ受難曲」から「船頭可愛や」まで、この衣装。「モリー」は、音域の広さでは難曲と思うが、星のように低音からソプラノ張りの高音域まで出せる歌手だとしっかりレパートリーにできるのだろう。見事な歌唱だった。

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第1部最後は、トロバトーレからアズチェーナのアリア「重い鎖に繋がれて」。これまた極度に難しい楽曲で、よほど集中して練習したと思われる自信に満ちた歌いっぷり。Bra~~~va!!!このコスチュームは、これ1曲だけというから、熱の入れ具合が違うのだ。

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第2部は、シックないでたちで登場。ロシアものからスタートさせ、最後は自分でも学生時代から最も好んだ歌だけど、最も難しいと紹介したサン=サーンスの歌劇「サムソンとデリラ」から「あなたの声に私の心は開く」。曲想をしっかり捉えて、これも素晴らしかった。

アンコールにはお得意のカルメンから「ハバネラ」、そしてラストはBE MY LOVEで締めくくった。

f:id:grappatei:20170706122527j:plain無事、盛大な拍手に包まれて終演。お疲れ様でした!

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今回は、食事ふた皿と、ワンドリンク(選べる)が付いて、5千円ちょっと。お値打ち感、たっぷり。

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二皿目、トマトソースの下は、鶏肉とソーセージ。味付けもOK。ドリンクは2杯目にハーフ&ハーフ(@¥500、テーブルで精算)をオーダー。それで十分。

#31 (文中敬称略)