ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

歌劇「椿姫」@日暮里サニーホール

170728

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合唱仲間から招待されて久しぶりにこのホールへ。

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キャストに、一人も存じ上げている方がいないので、かなり若手の方々の活躍が見られると楽しみにしていた。そして、主役3人がそれぞれ持ち味を発揮されて、上々の出来栄え。特にヴィオレッタとアルフレードを演じたお二人が素晴らしかった。

黒木亜希子は、高音も無理なく出せるし、あとは演技にもう少し余裕が出れば更に良かったと思う。また朝倉祐太の高音もよく響いていて、将来が楽しみなテノールだ。

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上の略歴にもあるように、今日の指揮者も初めて聴いたが、大変な経歴の持ち主。伴奏はピアノと、第1幕、第3幕のみヴァイオリンも加わる。一丁でも、弦が加わると俄然雰囲気が出ることが今日よく分かった。

愚亭が一番楽しみにしていたバリトン・ソロ、「プロヴァンスの海と陸」だが、声質はまことに素晴らしいのだが、多少トレモロ風のヴィヴラートが気になると言えば、気になるかな。

合唱団もよく頑張っていた。聞くところでは、下手、上手とも舞台横は階段になっているらしく、合唱団のハケも入りも本当に大変そうで、気の毒だった。

カーテンコールだが、第2幕第2場で合唱団や脇役陣を先に済ませてしまって、終幕では、ヴィオレッタ、アルフレード、ジェルモン、アンニーナ、医師の6人だけというのがちょっと珍しかった。

ところで、椿姫なのにヴィオレッタ(すみれ)と、奇妙なことになっているが、アレクサンドル・デュマ・フィスの原作がLa dame aux caméliasであり、これをそのまま日本語にして椿姫と訳した。あくまでも原作ならこれでいいのだが、ヴェルディがオペラ化した時のタイトルはLa Traviata (道を踏み外した女)であるから、オペラの方は「椿姫」でなく「ラ・トラヴィアータ」とすべきだったのだ。「イル・トロヴァトーレ」だって、「吟遊詩人」とはなってないのだから。

ついでに、アルフレードの姓はジェルモン、父親はジョルジョ・ジェルモンなので、ジョルジョとすべきところを、なぜか父親に限って、姓だけ名乗らせるているのは不思議な話だ。

話の展開もおかしな点がいつくかあるが、オペラは大体筋立てが結構いい加減なので、いちいちそれに目くじらを立てていたも仕方ないから、やめておこう。

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