ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ANAフィルハーモニー管弦楽団第3回演奏会@川崎教育文化会館大ホール

171009

f:id:grappatei:20171009191032j:plain

今年の1月、ベートーベンの第九で共演したANAフィルの演奏会に行った。

セビリアの理髪師 序曲は初っ端で、いささか固い感じの響きだったのと、このマエストロ、かなりゆっくり目がお好きな様子で、ええ、遅すぎー!ってな感じで聞いていた。もうちょっとだけ速い演奏の方がよかったように思えた。

その後、ラフマのP2は、なんと団員によるピアノソロ!これがまたお上手で、団員という意味がよく分からなかった。まさかANAの社員ではないんだろうと思いつつ、終演後、楽屋へ回ると知った顔があちこちに。

確認すると、なんとやはりバリバリの団員で、普段はオーボエ奏者と知った。つまりピアノが”本職”で、オーボエは片手間ということらしいのだが、依然当方は不得要領のまま。でも本人と話すと、それが事実と判明、しかも最近までスッチーとして飛んでいたというから、2度びっくり!世の中には変り種と言うか、とんでもないマルチ人間がいるもんだ!

この米山千秋さん、めったにソロで舞台に上がることがないらしく、袖から出てからの一連の動きがなんともぎこちないというか、素人っぽいというか、微笑ましき限り。でも、演奏は実にしっかりしていましたよ!

そして、最後の演目、ブラ1はセビリアとは打って変わって見事な演奏で、同じ楽団とは思えないほど。とりわけ、4楽章の例の美しい旋律が弦楽で始まる前の、管楽器が交互に主旋律を伝え合いながら、「来るぞ!来るぞ!」と期待感で胸躍らせる、そのパッセージがたまらなかった。

ANAの現役機長やスッチー、事務職スタッフで構成されているから、恐らく練習時間はかなり限定的と思われる。もちろんトラが結構入っていたのは知っているけど、よくぞここまで頑張ったという感じ。ブラヴィッシミだった。

タダで、こんな演奏聴けて、どうもすみません!

ところで、この会場、かなり広いし、響きもいいのだが、老朽化が進んでいるのか、天井にもうけられた空調から風が漏れるようなズーーという音が響いてきて、かなり気になった。こんなことで評判が落ちるとしたら、もったいないことだ。

#69