171116 韓国 140分 監督:キム・ジウン
日本統治時代の朝鮮、独立を目指す抗日運動組織「義烈団」(実在した)を一網打尽にしようとする日本側トップ、ヒガシ(鶴見辰吾)は、手先として使う朝鮮人、イ・ジョンチル(ソン・ガンホ)に義烈団の徹底監視を命じる。
義烈団中心人物、キム・ウジン(コン・ユ)に接近するも、イ・ジョンチルをよく知る頭目のチョン・チェサン(イ・ビョンホン)は彼を二重スパイとして使えると読み、取り込みを画策。
一方、そうした事態を事前に想定していたヒガシはイ・ジョンチルのお目付役として同じく朝鮮人で日本の手先になっているハシモト(オム・テグ)を作戦に同行させていた。
⬆︎左、ハシモト役のオム・テグの獣のような目つきが異様な効果をあげている。
虚々実々の駆け引きの末、最後はお互い血で血を洗う凄惨な事態となり、相手側に寝返ったとされたイ・ジョンチルは捕縛、投獄されるが、裁判で無罪放免。(この辺りがいい加減というか甘い展開に)。イ・ジョンチルは、自分を手先として使い捨てにした日本に対し、報復に執念を燃やし、最後の賭けに出る。放免して泳がせるのではなかったのか、日本側の判断はまことに不可解。
息詰まるようなサスペンスフルなシーンも随所に盛り込まれるが、イマイチ読めてしまう展開と、予算がなかったせいか、爆破シーンなどが余りにもちゃっちくて、興ざめ。そこそこ見せ場を作っていただけにエンディングが惜しい。
人気俳優を並べていることもあり、韓国では大ヒットしているらしいが、日本ではテーマがテーマだけにどうだろう。今頃になってこうした作品を世に問うのはどういう料簡か、考えてしまう。
作中、腕時計にQuartzの文字が読め、あの時代にあるわけないのだから、一工夫すべきだったろう。
#76 画像はIMDbおよびALLCINEMA on lineから