ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「人生はシネマティック」

171129 原題:THEIR FINEST 英 117分 監督:ロネ・シェルフィグデンマーク人、「幸せになるためのイタリア語講座」2004)

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第二次大戦下のロンドン、戦局は日増しに悪くなり、毎日のようにドイツ軍の爆撃機からドカンドカンと爆弾が落ちている。そんな中、政府は国民を鼓舞しようとダンケルクでの奇跡の救出作戦をテーマにしたプロパガンダ映画の製作を決定する。

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⬆︎爆撃が始めると、こうして地下鉄のホームや線路で寝起きする日々。

コピーライターの秘書、カトリン(ジェマ・アータートン)は突然情報省映画局にリクルートされ、その作品のスタッフの一人に抜擢される。若い男性は戦争に駆り出され、スタッフ不足や機材不足に悩まされながら、脚本を特別顧問のトムと連日連夜執筆することに。

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加えてヴェテラン男優のヒリヤード(ビル・ナイ)が些細なことでもいちいち難癖をつけ、製作は思うように進まない。なんども脚本の変更を強いられ、売れない画家の彼氏ともたびたび衝突、八方塞がりの日々。

それでも、揺るぎない信念でカトリンが挫けることはないが、彼氏の浮気現場を目撃したことで受けた衝撃で、とうとう心が折れかかる。そんな折、以前から彼女に好意以上の感情を抱いていた共同脚本執筆のトムの励ましで、なんとか態勢の立て直しに成功するかに見えたが・・・・

おいおい、マジかよー、トムのスタジオでの事故死。そして映画は完成。せっかく関わった作品だが、今のカトリンにはあまりにも思い出が詰まっていて、見る気になれない。それでも前を向いて生きていくしかない!

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しばらくして、勧められるままに、劇場へ足を運んだカトリン。そこにやっと生きる希望を見出したようだ。

ジェマ・アータートンアンコール!」2012、「ボヴァリー夫人とパン屋」2014)地味な女優だから、こうした役柄にはピッタリ!また、ビル・ナイのいつものひょうひょうとして演技がかなり笑える。

ちなみにカトリンという名前はキャサリンに相当するウェールズの名前。またこの原題、中途半端だが、原作のTHEIR FINEST HOUR AND A HALF(彼らのサイコーの1時間半)から取ったらしいが、もともとはチャーチルの議会での演説で使われた言葉とか。

#79 画像はIMBdおよびALLCINEMA on line から。