171221 スペインが大好きだったHI君の追悼会の前に、渋谷の映画館で見た作品。けったいなタイトルだが、Jはスペイン語ではホタと発音する。つまり、ホタはフラメンコを越えて存在すると言いたいようだ。尤も、原題はJOTA DE SAURA(サウラのホタとごくシンプル)
ホタとはスペイン北東部、サラゴサが州都のアラゴンに昔から伝わる伝統舞踊で、フラメンコの源流の一つとされる。一口にホタと言ってもさまざまな様式があると、ここ出身の監督カルロス・サウラが巧みな撮影方法を用いて、ドキュメント風に紹介した作品。 ➡︎詳細
さまざまなホタが紹介されるが、とりわけサラ・バラスとミゲル・アンヘル・ベルナの二人が左右に分かれて競い合うかのように激しいリズムで踊り、やがて中央線を越えて相手の領域で踊りまくるシーンが圧巻!
ミゲル・アンヘル・ベルナのソロ。惚れ惚れする格好の良さ。
監督のカルロス・サウラ。昔のホタもモノクローム映像で紹介され、今のスタイルとの違いが示される。
ホタ・デ・サラサーテ、こちらはジプシー風のヴァイオリンを駆使して名人芸を聞かせる。
モダン!これは現代風ホタ。衣装にも違いが見て取れる。
華麗!
絢爛!
JOTA GALLIEGA、つまりガリシア地方のホタ。この地域は、ケルト文化の影響が大きく、バグパイプが今も広く演奏される。このシーン、中央はバグパイプの名人だが、この後、さまざまなサイズ、形状のバグパイプの演奏があり、他にも見たこともないような楽器が登場し、大いに興味をそそられた。
最後はキャスト総出でホタを踊り狂う。これはアラゴンの街ではなくスタジオではあるが、雰囲気はよく出ている。
ホタのことは全然知らなかった。フラメンコはアンダルシア地方で花開いた伝統舞踊だが、このホタや、イベリア半島全体が長くイスラム文化圏にあったことや、ジプシー伝統芸能などが融合して成立したようだ。フラメンコとはフランドル(現在のベルギー・オランダ)を指す言葉(英語ではフレミッシュ)で、19世紀半ばからなぜかこの名称が定着して言ったとか。妙な話だ。
#90 画像はIMDbから。