ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「キングスマン:ゴールデン・サークル」

180109 英 140分 原題:KINGSMAN:THE GOLDEN CIRCLE 製作・脚本・監督:マシュー・ヴォーン(46, 英国)

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冒頭のBGM、アレッと思ったら、ジョン・デンヴァーの歌うカントリーロードの旋律が流れ、これが全体の伏線になっていて、純粋な英国映画でこの出だしは珍しい。(昨年秋にみた「ローガン・ラッキー」でも、チャニング・テイタムが出演し、この歌が重要な場面で使われていたっけ。これはまあ、偶然だろう。)

いずれの国にも属さない独立系諜報機関キングスマンがポピー(ジュリアン・ムーア)率いる国際麻薬組織ゴールデンサークルにより壊滅状態に。生き残ったエグジー(タロン・エガートン)とコンピューター担当のマーリン(マーク・ストロング)は、ケンタッキーをベースにする同盟組織であるステーツマンに協力を求め、ゴールデンサークルに対抗する秘策を練る。

140分と結構長いが冒頭のスリリングなカーチェイスを含め随所に見せ場を用意していて飽きさせない工夫は一応しているが、ごった煮感は拭えない。ただ、暮れに見た「否定と肯定」同様、英米が入り乱れているところに結構興味を持った。

舞台がケンタッキー州とロンドンで、演じる俳優もほぼ英米同数のビッグネームが並ぶから、そこは凄い。端役でエミリー・ワトソンを使うほどの贅沢さだ。

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有名テイラーがずらっと並ぶサヴィル・ロウにある紳士服屋の地下がキングスマンの本部。

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ロンドンの街並みを疾走するカーチェイスでの猛烈な取っ組み合いは見せ場の一つ。

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エルトン・ジョンが出ていて、散々笑わせる。これらのシーンは本作のエンタメ性に一定の効果あり。

スイスの雪山でロープウェイを使って追いつ追われつのシーンは007のシリーズを思わせる。監督は、007へのオマージュのつもりでイメージした可能性あり。

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登場人物の多さを物語る写真。

ウィスキーがやたらに登場して、ウィスキーの宣伝かよと思わせる。しかもスコッチのWhiskyに対して、ケンタッキー・バーボンのWhiskeyという図式も面白い。

PG12指定と前作より厳しくしたのは、結構えぐいシーン(人間をミンチにして、その肉でハンバーガーを作るなど、悪趣味も甚だしい。「羊たちの沈黙」シリーズを彷彿とさせる。)や、子供に見せたくない際どいシーンがあるからだろう。

#2 画像はIMDbから。