ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ルドン ー 秘密の花園」展@三菱一号館美術館,ブロガー内覧会へ

180208 前半は黒っぽい不気味な絵ばかり描いていて、突然、鮮やかな色彩の世界へと一変して、観るものを驚かす画家、オディロン・ディロン(1840-1916)!

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まずはいつものように高橋明也館長からご挨拶を兼ねて、本展の概要説明があった。そもそもこの企画はこの美術館開設前から温めていた企画らしい。ひょうんなことから、ルドンの大作で、現在当館所蔵となった<グラン・ブーケ>を買い付けることになった経緯、また日本へ運び込まれる前にパリで大掛かりなルドンの回顧展が行われ、その開会式に出席直前に例の東日本大震災に見舞われたことなど、それだけに本展開催は館長にとってことさら感慨深いものがあったようだ。

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そのあと、細かい説明はいつものように担当学芸員の安井裕雄氏が、ナヴィゲーターTak氏(美術ブログ「弍代目 青い日記帳」主宰)の質問に答えるような形で半刻ほど。

ルドンの生きた時代は印象派と重なるが、彼は独自のスタイルを貫き、象徴派に属すると言われることもあるが、自分ではいずれの流派にも属していないとする意識が強かったらしい。ボルドー生まれだが、アメリカからの大西洋航路の、船内で生まれた可能性もあったそうで、そうなると無国籍となり、余計本人が望んだ孤高の画家らしかったかも知れないと説明、ブロガーたちの笑いを誘った場面も。

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「青空の下の木」1883 MoMA所蔵。右は「ペイルルバードの小道。オルセー美術館蔵。初期の風景画には、誰かの作風にそっくりな小品なども多数残している。そう言えば、「あれ、これってコローじゃない?」と思わせる作品も少なからず。

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「神秘」1910 フィリップスコレクション

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「オジーブの中の横顔」ボルドー美術館蔵

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「眼をとじて」1900年以降。岐阜県美術館蔵

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「ドムシー男爵夫人の肖像」1900年 オルセー美術館蔵。左側に広くとった空間の意味するものとは?何かを描こうとしたか。

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ドムシー男爵邸食堂を飾っていた装飾画は圧巻!

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当館の誇る至宝「グラン・ブーケ」1901年 パステル/カンヴァス 250 x 163の大作

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花瓶の花を一室にまとめて展示。「首の長い花瓶にいけられた野の花」(MoMA所蔵)より見栄えがする?ひろしま美術館の「青い花瓶の花」⬇︎

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これらの画像は主催者から特別な許可を得て撮影されたものです。一点撮りや接写、フラッシュ撮影はもちろん認められておりません。

前述の通り、本展は館長の執念が乗り移ったかのような珠玉の作品が一堂に会していて、美術愛好家には垂涎の企画、見逃せません。会期は5月20日まで。本展詳細は同館のホームページを!