ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

マーラー2番「復活」、初挑戦

180225

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地元合唱団所属ソプラノから誘われ、時間不足や練習会場(大久保)などを理由にして、当初はその気はなかったのだが、名門合唱団の特別枠で歌える、しかも参加費の@¥5,000に惹かれて、参加することに。本番は暗譜というのが不安の種だったが、申し込んだ時点で本番まで一月とちょっとあるし、合唱部分だけだと8分ほどなので、行けると踏んだ次第。

ところが、これが何故か分からぬが、一向に頭に入らない。そうこうするうちに風邪で2度も休むわ、その前は大雪で練習そのものがお休みとなったりで、練習時間がどんどん減り、結構焦りを感じていた。

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そんな中で迎えた今日の本番。暗譜はぎりぎり間に合った。なにせ周囲が名門合唱団、百戦錬磨の強者ばかりだから、こっちは大船に乗った気持ちでいられたのはラッキーだった。

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それにしても、この小林幸人というマエストロ、ただ者ではない!合唱練習も9割方、稽古をつけてくれたが、なんと発声にまで通暁していることにも驚く。オケの指揮者でここまで細かく合唱の稽古をつけてくれる方も珍しいと思わざるを得ない。

そして、先日オケ合わせで初めて聞かせてもらった「上野の森交響楽団」だが、やはりというか、期待通り、本番に合わせて完璧な仕上がりを見せて(聴かせて)くれた。とてもアマとは思えない。ここら辺も、もちろんマエストロの技に負うところが極めて大であろう。

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そして二人のソロイスト!歌が上手いだけでなく、ご覧の通り、大変チャーミングでもある。以前から存じ上げているから、ご挨拶の機会を窺ったのだが、今回は楽屋位置の関係で、お会いできないままで、それが心残りではある。

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特別枠参加者はごく一部で、ほとんどは合奏団の正団員。なにせ前回の東京オリンピックの年に出来たという老舗合唱団だから、ガヴァナンスがしっかりしていて、見事な運営ぶりに驚くと同時に羨ましさも。

んで、今日の出来栄えだが、マエストロはなんども嬉しそうに頷いていたから、多分、それなりの仕上がりだったのではないかと思ったが、実際のところはどうだったんだろう。

この曲、ベートーベンの第九よりちょっと長い正味80分。1幕と2幕の間で5分ほど間を空けるというのが作曲家の指示とあるが、その時間を利用して合唱団が舞台へ。さらに2幕と3幕の間にソロイストが入場。

昼に飲んだ風邪薬のせいで、2幕、3幕を聴きながら、そうとう睡魔に襲われた。今日は知人が一人しか来ていないし、後で聞いたら、ちょうど見えない場所だったらしいので、一安心。あとはDVDなどに映らないことを祈るのみだ。

それにしても、合唱団の位置で聞くと、管楽器、打楽器の出番がすこぶる多い曲だけに、これらの響きを存分に味わった。

さて5楽章、いよいよ合唱が始まる。低く、弱く入り、ソロとの掛け合いを経て、終楽部は壮大な響きで、ああ、なんと心地よいことかと感動である。上からはパイプオルガンの調べが降り注いでくるし、やはりこれは第九では味わえない、至福の瞬間である。

5年前に初めてアプリコで第九を歌った時よりも何故かずっと感動の幅が大きく、泣きそうになったほど。

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ここすみだトリフォニーホール、聴きに来たことはもちろん何度もあるが、舞台に乗るのは今回が初めて。舞台の位置が相当高いことに驚く。合唱団の位置からだと1階席は谷底のようで、前列はほぼ見えない。そして目線の高さは2階席の後方で、立ち上がると3階席がちょうど目の高さに来るほど。驚きの構造だった。

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真後ろ上段にパイプオルガンが。

⬇︎ドゥダメル指揮の「復活」5楽章。ロンドンのプロムズから