180306 香港 1990 DAYS OF BEING WILD 97分 脚本・監督：ウォン・カーウァイ
28年前の作品をデジタル・リマスター版で見た。香港映画ファンでもないので、知らなかったが、当時大評判になった作品らしい。出演者が、みなその後、大物になり（主役のレスリー・チャンは2003年、47歳でホテルから投身自殺を遂げている）、当時だからこその豪華キャスティングになっているところも話題に。
独特なカメラアングル、画面を覆う倦怠感、時代を感じさせるラテンメロディーなど、どれもが実に効果的だ。香港でナイトクラブを経営する義母に育てられ、女の口説きは得意だけで、まともに働く意欲もなく、だらっと過ごす主人公。
いつの間にか彼の魅力に惹かれてしまう女が二人、義母との関係がギクシャクし始めた頃、生母に関する情報を無理やり引き出し、出生の秘密に迫る主人公。生母がいるというフィリピンへ向かうものの、あえなく門前払い。パスポート偽造をギャングに頼み、渡米を目指すも、偽造代が工面できず、ギャングを殺傷、追われる身になる主人公。
という具合に進行するが、デジャヴュ感が。この一種の青春群像は、1960年代のイタリア映画の題材に多かったし、美男で、けだるさたっぷりの主人公は、「エデンの東」でのキャル役、ジェームス・ディーンを彷彿させる。そう云えば「エデンの東」での、主人公の生母、ナイトクラブを経営するケイト（ジョー・ヴァン・フリート）を思い出した。
⬆︎マギー・チャンがやたらに綺麗なのが印象に残る。後ろは警官に扮するアンディ・ラウ。
トニー・レオンがいつ登場するのかと思ったら、最後の場面で、なにやらめっぽう天井の低い一室で身支度を整える男が一人。ここは九龍城の中らしい。ウォン・カーウァイは、続編を作るつもりで、いかにもそれを感じさせるエンディングになっている。
#19 画像はIMDb、およびALLCINEMA on lineから
