ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

アプリコ・アフタヌーン・サロン2018

180417

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藤原歌劇団二期会という、日本のオペラ界二大組織の実力・人気ともにトップクラスのお二人の共演で、超有名な曲を並べ、しかもこのお値段というのに、平日の午後という開演時間ゆえか、入りがもう一つだったのは、ちょっと残念だった。

前半は「椿姫」の第1幕のシェーナ、後半はプッチーニの曲をメインに演奏。アンコールは、望月哲也が「女心の歌」、小林沙羅が「私が街を歩くと」と、2分程度の軽めなアリア。トークも交えて、正味100分の内容。

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望月は同じコスチューム、着っぱなしだったが、小林は前半でも、真っ赤、真っ白と着替え、後半はご覧の通りブルー(写真では白っぽく見えるが実際はかなり濃いブルー)の衣装で舞台を華やかに盛り上げた。

歌唱力にはお二人とも定評があり、改めてのコメント不要だが、小林はチャーミングな舞台姿だけでなく、スピントの声も魅力溢れるもの。対する、望月のテノールぶりも、負けていない。ややソフトな美声で、なんでもこなせるしなやかさが特徴。

トークでは、進行の浦久俊彦が慣れた口調で「椿姫」の裏話を紹介してくれて、たいへん興味深く聞いた。出演者へのQAタイムでは、それぞれ得意の演目を尋ねたところ、小林は自分の現在の年齢を考えれば、「フィガロの結婚」のスザンナ、それとアンコールで歌った「ジャンニ・スキッキ」のラウレッタと答えたいたのが印象的。

望月は、自分の声に酔うことは?と聞かれて、そもそも自分の声が好きではないので、それはあり得ない。好きな歌手はパヴァロッティで、彼に憧れてこの世界に飛び込んだような挿話が面白かった。美貌のピアノ伴奏、河野紘子は、ピアノは音をひたすら紡いでいくだけなのに、歌手はそこに言葉をはめ込んで行けるから羨ましいという発言が面白かった。

イタリアオペラの魅力については、二人とも同意見だったが、歌い手にはイタリア語の歌詞が音符にぴったりはめ込んであるところがプッチーニにしろヴェルディにしろ最大の魅力という趣旨のことを話していた。

#25 文中敬称略