ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

村上敏明、初プロデュース公演@ティアラこうとう大ホール

180506 すでに20年も応援しているテノール村上敏明が初めて手がける公演に出かけた。1998年、大田区アプリコホールのオープニング・ガラコンサートに登場した彼の声に魅了され、以来、熱心なファンを続けている。その彼が自身でプロデュースしたのがピアノによる第九合唱。当初、自分としては合唱団員としての参加も考慮していたのだが、結局聞く側に回った。

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合唱団員の集まり具合が芳しくなかったようだが、最終的には116名も集まったと、彼自身、冒頭の挨拶でうれしそうに触れていた。

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ただ、客の入りはイマイチで、これはちょっともったいなかった。連休の最終日で好天にも恵まれ、また会場が江東区であったことも、多少の影響がなかったとは言えない。

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しかし終わってみれば、見事な演奏で、とりわけ合唱団の響きは素晴らしかった。第九を歌い慣れた人が多く含まれていた可能性大だし、合唱団の指導者、泉智之の手腕に負うところ大と思われる。

上の解説にあるように、リストがピアノ2台用にこの壮大な楽曲を編曲したというのは初めて知ったが、1〜3楽章、村上の説明では、少し短縮して25分弱にしたそうだ。どこをどう短縮したのかはスコアを見ながらでないと不明。それにしても、今日の二人のピアニスト、息もピッタリで名演奏だった。二人とも、いささか変わった経歴で、とりわけ調律師から演奏家に転じた栗原正和の存在は異色だ。

だが、正直言えば、合唱は、どうしても、いくらピアノ名演奏であってもオケの伴奏でないと物足らないのはどうしようもない。この辺の感じ方は人それぞれと思うが、愚亭はこの1回だけで十分。

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最後に村上敏明渾身の名唱で「誰も寝てはなるぬ」で幕。みなさん、とてもBraviでした!そしておつかれさま!

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