180531 LOVING VINCENT 英・ポーランド合作 脚本・監督・編集:ドロタ・コビエラ(ポーランド、女流監督)
アルルの郵便配達人の息子、アルマンが父からの依頼で、ゴッホが弟テオに宛てた最期の手紙を届けるべく、パリに向かい、ゴッホが最晩年を過ごしたオーベール・シュル・オワーズ村でゴッホを知る人々に会い、彼の死の謎を探ろうとするミステリー仕立てのアニメ。
アニメとは言うものの、これがゴッホ風の油絵の動画だから、実に面白い。ゴッホ好きにはたまらないだろう。なにせ125人もの画家が、実写フィルムから起こした原画にゴッホ風の味付けをほどこし6万枚以上もの油絵を実際に描き、それをアニメにしたというから素晴らしい!この作品、ゴッホが見たら、何と言うかと想像すると愉快である。
作業した画家の6割は女性だったそうだ。彼らもきっとこの滅多にない制作は楽しんだことだろう。
確かにゴッホの死に方は謎に満ちている。近くの麦畑へ、最後となる一枚「カラスのいる麦畑」を描いている最中かどうかは不明だが、ピストルで腹部を撃ったところまでは間違いない。負傷したまま自室のある旅籠、ラブー亭の自室へ戻り、駆けつけたテオの介護も虚しく、数日後に死去。
当時のラブー亭
現在のAUBERGE RAVOUX。2階の一室がゴッホの住んでいた部屋。愚亭も一度見ているが、粗末なベッド、小さな文机、洗面台があるだけの殺風景極まりないもので、アルルの例の黄色い家の部屋に比べて、色のまったくない、塞ぎ込みたくなるような環境。
タンギー爺さん
愚亭の好きな女優の一人、アイリッシュのシアーシャ・ローナンもゴッホ風にアニメ化されるとこの通り。
#44 画像はIMDbから。