ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「サムライと愚か者 - オリンパス事件の全貌 - 」

180604  SAMURAI AND THE IDIOTS: THE OLYMPUS AFFAIR ドイツ/フランス/イギリス/日本/デンマークスウェーデン合作。(それにしても多い!)製作・監督・編集:山本兵衛

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2011年に実際に起きた事件。7年前だから、おおまかに覚えているが、タイトルにもなっている全貌が分かって頗る面白かった。79分の大半はウッドフォードや、この事件を暴いたFACTAの編集長らのインタビューで構成されている。

決算の「飛ばし」やら巨大損失の先送りなど、初代社長時代から申し送り社長専権特命事項だったらしいが、周囲の役員たちも知っていながら、だれも手をつけようとしなかった。そこへ、イギリスの子会社から招く形でウッドフォードを社長に据えたことが発端となり、全貌が明るみに。呼んだ側としては、とんだ見込違いだったという、実に滑稽極まる茶番となった。

考えてみれば、昨今の企業、政府、教育現場などなどでの隠蔽、忖度などによる一連の不祥事は当時からいくらでもあったことが、図らずも分かる機会となっただけでも、この映画の公開の意義は小さくない。

それにしても、昨今、外国人をトップ(ソニー、日産など)や役員(ソフトバンク武田薬品など)に据える人事が珍しくなくなっているが、もっと中身を、それこそもっと大胆に国際化しないと、日本だけが取り残されるガラパゴス現象が加速しないか大いに気になった。

#47 画像はALLCINEMA on line。