ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

フェスタサマーミューザ 2018

180803 今年もこの季節になった。毎年5回は来ていたのだが、、昨年から3回に。自分にとっては今日が初日に当たる。何と言っても、神尾真由子だ!

 

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ミューザ川崎に頻繁に来るわりに、カナフィルを聴く機会はあまりない。このマエストロは初めてだ。34歳という新進。きびきびとした気持ちの良い演奏スタイルで、これは特に女性ファンから好感持たれるだろう。

サン=サーンスは、普段あまり聴く機会がない。1曲目、「サムソンとデリラ」からのバッカナール、快調な演奏だった。バッカナールは、先日も「椿姫」第3幕で歌ったが、バッカスに由来する言葉で酒宴とか、馬鹿騒ぎのこと。だいたい、賑やかに騒々しく演奏して、あっという間に終わってしまうみたいだ。

 

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今日の目玉はなんと言っても神尾真由子!5,6年前にもここの舞台で聴いているが、小生意気な雰囲気をまとった真実、天才肌という弾き方をしていたのを鮮明に覚えているが、その後ロシア人ピアニストと結婚、出産も経験し、そんなことも手伝ってか、グッと円熟味を増した印象。演奏態度も堂々と落ち着いており、まるで別人の様。

楽器は、サントリーから貸与されたストラディヴァリウス(1727)を使用していたが、その後、拠点を海外に移したことで、現在はグァリネリゥス・デル・ジェス(1735)を使っている。

3曲目の交響曲3番オルガン付きという、わりに珍しい演目を聴いた。オルガン付きとなれば、演奏会場が限られる。その点、ミューザ川崎はうってつけである。オルガンが鳴り始めるのは中盤も過ぎた頃、最初は静かに和音を鳴らしているだけだが、終盤に大音響となり、ホールいっぱいの聴衆もちょっと驚いた様子だった。

今日は演奏家も演目も素晴らしく、フェスタの時期は値段も手ごろとなるので、これまで見たこともないような超満員。5階席など、パイプオルガンのすぐ脇にまで聴衆がいる光景は初めてだ。当然、休憩中のロビーも人が溢れ、また男子トイレでも女子並みに長蛇の列ができるなど、えらい騒ぎだ。ばったり会った友人も部類のコーヒー好きで、幕間を楽しみにしていたようだが、あまりの混雑に呆然とするのみ。

ところで、カナフィル名物というと差し障りがありそうだが、コンマス石田泰尚、イガグリ頭がトレードマーク。そこに剃り込みを入れているという異色の存在!普段はサングラスまでかけるというから、組長と呼ばれるというのもむべなるかな。無愛想そのもので、にこりともしない。まあ一種の照れ隠しなんだろうが、最後にマエストロとなにやら喋っていて、一瞬、笑顔が。

#43 (文中敬称略)