ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

杉並区民オペラ「椿姫」@セシオン杉並

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7月のアプリコ大ホールでの椿姫に合唱隊の一員として参加した際にご一緒した、その時はドゥフォール男爵役だった東 浩市が、今回はジェルモン役で登場することをフェイスブックで知り、すぐチケットを購入した。新宿文化センターでのコンサート終了後、直ちにセシオン杉並に馳せ参じた。

区民オペラゆえ、低予算で、すべて手作りである。そのためか、演出もヴィオレッタ役の青木素子が兼任、さらに合唱指導も彼女が担当するという離れ業。見事としか言いようがない。

しかもヴィオレッタとしての歌唱もすばらしく、底知れぬ才能を感じた次第。フローラは、日本人離れした美貌といえば、言い過ぎかも知れぬが、歌といい舞台姿といい石橋佳子は絶賛に値する。

アルフレード佐藤 圭、1幕は見事に終えたのだが、2幕でのヴィオレッタとの絡みの中で、多分最高音域を出すところが何箇所かあるのだが、多少不発だったようで、そこさえなければと少々残念だった。

さて、肝心の東 浩市、若い頃は何気なく普通に歌っていたと本人も語っているように、50を超えてからだと、それなりに苦しかったようだ。しかし、この役、かなり難しく、ただ声が出ればいいというわけでなく、アルフレードの父親というからには、それ相当の年恰好が必要であり、その意味では、今の東 浩市の方が、以前よりこの役はうまく歌い且つ演じた筈である。

アプリコの時のやや軽めの役とは大違いで、重要なきかせどころの「プロヴァンス・・・」もあるし、大変だったのはよく分かる。終演後、汗が顔面から滴りおちるのを見て、苦労がよく分かった。

さて、興味を持って聴いた合唱隊だが、人数としてはアプリコ椿姫とほぼ同数の40人ほどだが、いわゆるトラが入らず完全自力で歌ったのは素晴らしいし、ノーカットで、全曲歌ったのも大したもの。ほんとにブラーヴィである。見ていて、かなり場数を踏んだ方が多くいたような印象を受けた。

ついで低予算でもフル編成のオケを入れたのは大英断。我々の時はSTAGEA IIという最新鋭のエレクトーン2台とパーカッションでの伴奏だっただけに、生オケが入ったのはやはり凄いことだ。マエストラの高山美佳のタクトも素晴らしかったし、かっこよかった!きびきびと分かりやすく振っていて、ソリストも合唱隊も歌いやすかったに違いない。

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 舞台奥には紗幕が降りるようになっていて、3幕での合唱隊は紗幕の裏でCARNEVALEを元気よく歌って、なかなか効果的だった。(我々の時は下手舞台裏で歌った)

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一人三役の青木素子。ほんとにほんとにお疲れさんでした!

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フローラの石橋佳子。どうですか、このあでやかなこと!来年、ヴェルレクでご一緒できそうなんで、ご挨拶しておいた。

アンニーナ役の山口恭子だが、プログラムの略歴を見ていて、20年ほど前にグァムに出張した折、現地駐在員のお宅でご一緒した大学の後輩と気づき、終演後挨拶したら、さすがに驚かれていた。こういう偶然の発見は実に楽しい!

#62 文中敬称略