ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

大田区アマチュア・オーケストラの祭典2018 2日目

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初日は合唱練習と重なったため、2日目のみ聞きに行った。

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狙い目は、この若きピアニスト、五味田恵理子の「皇帝」。期待にたがわず、もうほんとに素晴らしい演奏で、大満足。いつものように、2階のバルコニー席最前列で見事な演奏を心ゆくまで堪能。時に、「う、ちょっと粗っぽい?」と思えるような場面もなくはなかったが、イキがよく若々しい演奏っぷりには大いに好感が持てた。アンコールは「献呈」(シューマン/リスト)

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このマエストロ、上の略歴を見ると、卒業して20年近く経過しているのだが、とてもとても姿も振り方も初々しく、こりゃ海外だとまだ学生と思われかねない存在と思われるが、内容的にはどっしりとした演奏で、オケのメンバーの信頼をしっかり勝ち得た印象であった。⬇︎(左手前はコンミス吉原葉子

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大田区ハイドン室内管弦楽団の演奏は、すでに何十回も聞かせてもらっているが、やはり聞くたびに練度が上がって、進化している様子がよく分かる。1987年設立というから、すでに30年以上の歴史を持つ。学生・会社員・主婦など幅広い構成メンバーが特徴。すでに団員数も50を超えるというから立派な楽団である。

今回はコンサート・ミストレスに、大田区が生んだ名ヴァイオリニスト、吉原葉子を迎えて、オケ、マエストロ、ピアニストとの息がぴったり合った演奏を楽しませてもらった。

楽器の配置で興味を惹かれのは、ホルン(2管)は木管と同じ列で、前にも書いたが、音質からしても、金管より木管という位置付けなのは明らか。トランペット(2管)はティンパニーのすぐ左横(正面から見て)。トロンボーン、チューバは出番なし。

比較的高齢団員はチェロとファゴットに多いことを発見。また、コンバスには一人だけフレンチグリップがいたことも興味を惹かれた。最近はドイツ式が圧倒的で、フランス式はごくマイナーな存在で、まず滅多に見かけない。

当日、プログラムの中に挟まれたチラシに、大田区の区民センター閉館(今年の3月)に伴い、ホールにあったピアノ2台を、ミャンマー交響楽団に寄贈したことが紹介されていた。「音楽の友」の記事にも紹介されたとのことで、現在ミャンマー交響楽団の指導しているマエストロ、山本祐之介山本直純の子息)が、たまたま縁あってハイドン室内管弦楽団団員と懇意であったことから寄贈につながったらしい。その関係なのか、ミャンマー人と思しき人物が数人最後に登場し、花束を指揮者に贈呈して、会場に向かって挨拶していた。⬇︎

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#67 文中敬称略