181206 MADAME 仏 原案・脚本・監督:アマンダ・ステール
パリに移住したセレブ夫婦、晩餐会を開くが、土壇場で亭主の連れ子のバカ息子が加わることになったため、13人に。忌み数を避けるため、仕方なくメイドをゲストに仕立て上げて、急場を凌ごうとするが、まあものごとは思い通りにはならない。
ホストをうまくこなしていくが、果たせるかな、メイドが事前の注意を忘れて大失態。まあ、ゲストたちは楽しんでくれたようだが、メイドがゲストの一人と惹かれあうことになったのがなんとしても気に入らず、一見、メイドに優しく振る舞うように見せて、内心は嫉妬にかられ、恋路の邪魔に奔走、そういう自分がまた気に入らず、イライラの日々。
ラスト近く、18区の Terrasse Hotelの前で偶然会ったくだんのゲストに対して、彼女がどんなことを言い放ったか、その部分だけトラックの陰で見せてないから、想像するしかない。
パリ生まれ、ロサンゼルス育ちの監督、Amanda Sthersは小説家として名を馳せ、日本ではあまり知られていないが、かなり成功している。本作では、原案、脚本、監督までこなしているから、まさに才女。まだ40歳そこそこだから、たいしたもの。今後も映画を撮るのか不明だが、撮るとすれば大いに楽しみだ。
巨大な鷲鼻を持つ、メイドを演じたロッシ・デ・パルマ、スペイン人だが、二人の子供とフランスで生活している。巨匠、ペドロ・アルモドバルに見出されて映画の世界へ。顔同様、かなり個性的な人物らしい。母国語のほか、英、仏、それにカタルニア語も流暢で、歌手のほか、ファッション・モデルもこなす多芸ぶり。
すっかり上記スペイン女優の陰に隠れるような存在になったが、タイトルロールはマダムのアン(トーニ・コレット)。父親以上の年の差婚で、ずっと没交渉の亭主ボブ(ハーヴィー・カイテル)に飽き足らず、晩餐会のゲストの一人と不倫を楽しもうとするが、大胆すぎたか、逃げられてしまう。(夜のプールの場面はなかなか面白い)
晩餐会に集ういわくありげな人物たちを巧みに描き分け、謎めいたエンディングを用意するあたりはなかなかの手腕であり。舞台はパリだが、会話は9割方が英語というのも、いかにもパリ生まれロサンゼルス育ちのアマンダ・ステールらしい。
#84 画像はIMDbから。