ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ファースト・マン」

190208 FIRST MAN 米 138分 監督:デイミアン・チャゼル  製作の一人でもあるが、脚本を担当せず、監督だけというのは、本作が初めて。

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家族との絆を確認する部分が少々長すぎて、前半、正直眠くなる。肝心の打ち上げから月着陸までの部分はさすがにうまく撮れていて緊張感が一気に高まる。手持ちカメラを多用しての臨場感には完全にハマる。そこにいるかのような感覚に捉われてしまう。ただ、当然ながら、大画面でブレが連続するから、目が疲れるし、繊細な人は気分が悪くなるかも。

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月面の映像の緻密さには息を呑む

奇跡の生還を果たした「アポロ13」(ロン・ハワードトム・ハンクス、1995)や「ゼロ・グラヴィティー」(アルフォンソ・クアロン、サンドラ・ブロック 2013)を凌ぐ特撮効果は必見に値する。

それにしても、冒頭から凄まじいいばかりの音響効果も加わり、おそろしいほど。生還の確率の方が圧倒的に低いあのような恐怖のミッションにまさに命がけで臨んだ飛行士たちの強靭な精神力には、ひたすら圧倒された。アメリカはあれだけの犠牲を払ってまでして遂行する意義はあったんだろうか、大きな疑問符だ。

最初に月面に降り立った時のあのセリフだが、当時の録音音声では、That's one small step for man, one giant leap for mankindとなっていて、manの前には大事な不定冠詞のaが入っていない。しかし、当の本人は、a manと言ったはずと主張しているとか。歴史的にも大事なセリフ、しっかり言わんかい!

#6 画像はIMDbから