190219
青島広志のこうしたコンサートは、おおむね2006年頃から30回以上は聴いている計算になる。やはりこの人の持ち味、卓抜する音楽の知識と、独特のセンスとジョーク溢れるトークに惹かれるのだ。そのついでに音楽も聞くという、なんかそんな感じがしなくもない。
が、今宵は音楽の方もなかなか。まずこれだけ狭い会場にこれだけ多くの出演者というのが珍しい。文字通り舞台所狭しという感じの熱演だった。
出演者の一人、鐡 由美子からのお誘いで行ったわけだが、すでに3人の子持ちとは知らなかった。出産が続いたせいで、なかなか歌う機会もなかったと思うのだが、今日の夜女とパパゲーナは、そんなことをまったく感じさせないどころか、声に多少深みが加わったような印象さえ受けた。
ソプラノの横山実奈、メゾの磯地美樹は以前から聞く機会が多いが、相変わらず歌も演技も抜きん出ている。
バイオリンとピアニスト3人による伴奏や序曲演奏は、青島らしい構想で、聴衆をしっかり楽しませることに成功していたようだ。
休憩時間に例によって自身の著作物の販促に余念のない先生、それにしても、忙しい身でありながら、いつの間に、これだけ多数の著書をと驚く。
#9 文中敬称略