ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

METライビビューイング「カルメン」

190314 このシリーズのことは、前回の「アドリアーナ・ルクブルール」で触れたので、今回は省略。

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今回のタイムテーブルとスタッフ・キャスト一覧

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35歳のフランス人、クレモンティーヌ・マルゲーヌのことは聞いたことすらなかった。体幹がどっしりとして、しかもご覧のように妖艶さもある。それになにより、声がカルメンにぴったりの、やや重めのメゾである。

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酒場「リリァス・パスティア」で踊りながらジプシーソングを歌う場面、これは相当ハードだろう。よほど横隔膜をしっかり保持しておかないと歌えない。その後、営倉から出されたドン・ホセが現れ、彼のために歌う場面、本来ならカスタネットを鳴らして歌うことが多いが、カスタネットはオケピットから小さく聞こえるのみ。割に珍しい演出である。

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現在55歳のロベルト・アラーニャ、両親はシチリア出身だが、彼はパリ生まれ

明るく伸びのある歌声はこの人の持ち味。パリのキャバレーで歌っていて、のちにほぼ独学でここまで登りつめたのは大したもの。ルーマニア人のアンジェラ・ゲオルギューとは結局別れ、現在はポーランド人のアレクサンドラ・クルジャック(35歳、今回のミカエラ役)と一緒になっている。

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3幕への間奏曲でのバレエシーン。これがまた見応えタップリで、さすがメトである。

原作も作曲もフランス人の作品ゆえか、マエストロ、カルメン、ドン・ホセいずれもフランス人だったのは、偶然ではないだろう。

エスカミリオのアレクサンダー・ヴィノグラドフはロシア人。細身だが、声は太くはないがよく響くし、粘着質とでも言えるタイプ。そこそこ見栄えもいいから、案外人気者になるかも知れない。幕間のインタビューでも、どことなく垢抜けしており、明るく愛想もいいのでロシア人という感じがしない。

今回の幕間インタビューアーは、アイリーン・ペレス(Ailyn Pérez)、メキシコ系アメリカ人。2011年、日本公演の「ラ・トラヴィアータ」で国際舞台にデビュー。

#13 画像はMETライブビューイングのHPから。