ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「シャルル=フランソワ・ドービニー展 バルビゾン派から印象派への架け橋」内覧会へ

190419 損保ジャパン美術館で開催されたブロガー対象の内覧会に参加。まずは、配布された資料を紹介。展覧会の詳細は同美術館のHPを参照。

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ドービニーが同時代、あるいは後世の画家たちとの交流、受けた/与えた影響が一目でわかる相関図は興味深い。

シャルル=フランソワ・ドービニー(1817-1878)、日本では印象派の画家ほどの知名度の高さはないかも知れぬが、微妙な立ち位置で同時代、あるいは後の画家たちへ与えた影響は計り知れないものがある。

彼の画業だが、初期には、それまで一時代を築いていた新古典主義の匂いのする作品を残しているが、何度かル・サロンで落選を繰り返した後、アカデミズムとは決別して、郊外で描く自然主義へと転換する過程が、本展覧会でよく示されていて興味深い。

序章 同時代の仲間たち
1830年代から40年代のフランスは、産業革命により資本主義 経済が発展し、貴族階級に代わってブルジョワジーが台頭。その一方で貧富の差が拡大し、労働者階級を中心とする 社会主義運動が盛んに。こうしたなか美術の世界でも、 社会主義運動の高まりと共に理想美を規範とする古典的な芸術に 代わり、現実をあるがままに描く「レアリスム」が登場。 また、新興ブルジョワジーたちは難解な古典絵画よりも、親しみ やすく現実的な作品を求め、とりわけ都市に住む彼らは、産業化 によって失われつつある「田園風景」を主題とした「風景画」を 好むようになる。それとともに、後に「バルビゾン派」と 呼ばれる画家たちがパリ近郊のフォンテーヌプロー周辺に集まり、自然本来の美しさをあるがままに描き始める。1817年 バリに生まれたシャルル=フランソワ・ドービニーが、フォンテー ヌプローの森で制作を始めたのも1843年のこと。この章で は、ドービニーと交流のあった同世代の仲間たちの作品を紹介。

まずはコローやテオドール・ルソー、ミレーが活躍するバルビゾン派の一人として、全体としてくすんだ、やや暗い作品を残している。

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アカデミズムの巨匠、ポール・ドラロッシュ(「レイディ・ジェーン・グレイ」の処刑などが代表作)のアトリエで学んだとあるが、画風がまったく違うし、この関係は想像外だった。ま、しかし、そこで新古典主義に一時は傾倒していたのだろう。

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バルビゾン派の一人、テオドール・ルソー作「沼」(1842)

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これはドービニーと言われてもピンとこない作品。「聖ヒエロニムス」1840

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「池と大きな木のある風景」1851

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LE BOTTIN 「ボッタン号」1869

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ヴォー島、オワーズ川の分流地点 1870

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ポルトジョアセーヌ川」1868

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「ブドウの収穫」1863

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「ケリティー村の入口」1871

この頃、痛風などを患い、スペインとの国境近い村で治療を受けていたらしい。

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ドービニーの長男が父の跡を継ぎ、風景画家に。

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カール・ドービニーの「オワーズ川の釣り人」

父親の作品に酷似している。

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カール・ドービニー作「河岸」1881

これらの画像は主催者から特別な許可を得て撮影されたものです。

会期は6月30日まで。