190516
彼のことは、以前から仄聞することはあったが、たまたま最近読んだ小説「たゆたえども沈まず」(原田マハ)の中に、たっぷり肉付けされて登場して、いささか関心が膨らんだところへ、この企画展!自分にとっては、まことにタイムリーで、さっそく上野へ足を運んだ次第。
細々した遺品から実に140点を超える品々を並べたこの企画展、見応えたっぷり。彼の生い立ちから、パリへ進出、その後の縦横無尽の活躍ぶりが手に取るように理解できて、興味が尽きない。
それにしても、彼が構想していた日本における美術館が、彼の早すぎる死で頓挫し、貴重な収集品が無残にもあちこちに散逸してしまったのが、返す返すも悔やまれてならない。
ところで、前述の小説では、ゴッホ兄弟との関わり合いが軸になっているのだが、彼がパリにいた時代に懇意にしていた印象派の画家としては、ドガ、ロートレック、マネ、モリゾらであり、肝心のゴッホと実際に会ったかどうかの確証がないのが面白い。