190530
最初に村上敏明の美声に注目したのが1998年のアプリコだから、実にもう21年も前のこと。以来、ずーっと聴き続けているが、最近は、地元日野周辺でリサイタルなどを開催することが多く、いつしか足が遠のいていて、久しぶりに生で聴く機会となった。
確かに滅多に聞けないどころか、愚亭は初めて聴いたドニゼッティの「一粒の涙」が素晴らしかった!メリハリを効かせた歌唱は、やはりこの人ならではの巧さが光った。また、「ゴンドラの歌」はさほど期待していなかったが、意外と言っては失礼だが、聞き応え、たっぷり!
ただ、少々辛口コメントをすると、シャンソンやカンツォーネはオペラ歌手が歌うと、どうも平板で、面白くない。何か工夫ができないものかと思う。
後半は、期待通りで、素晴らしかった。とりわけ村上が歌ったDI QUELLA PIRAは圧巻のハイCであり、またアンコールで歌ったNESSUN DORMAも、喉が悲鳴を上げているに違いない中で、Hを長〜く伸ばせて締めくくったのは、今の日本では余りできる人がいない芸当。大絶賛のBravo!!!を送った。最後に二人でメリーウィドウから「唇は語らねど」で幕。
#31 文中敬称略