190609
MAXフィル演奏会で舞台に上がるのは昨年末の第九以来2度目。マエストロ古澤は、下の略歴にもあるように、元々はコントラバス奏者で、現在は指揮と二足のわらじ活動を継続している様子。人柄も大変さっぱりしていて、楽団員、合唱団員からもよく慕われていることは、肌感覚で分かる。些事にこだわらず、奔放な印象だ。
合唱団員で歌うのは今回が4度目。さすがに暗譜しているが、いちおう客席側からの見た目もあり、事務局から全員譜持ちという指示が寸前にでたので、あわててユザワヤで黒い表紙を買って来た。
ここのオケは、プロアマ混成チームだけに、かなりの力量があることは、「第九」の時にも感じていたが、本番に強いというか、今日もまた素晴らしい演奏で、入場無料がもったいないほどと感じた。雨のせいもあり、客席が6割程度しか埋まらなかったのは、ちょっと残念。愚亭も家族、兄弟、クラスメート、職場の友人などにも案内していたのが、結局実際来場したのはわずかに1名!
この後、各自バラバラと入場する。これもマエストロのアイディアだろう。もちろん初めての経験だが、こういうのも面白いねぇ。いつもだと、背の高さ順に事前に並び順を決めて、しずしずならんで入って行くのだが、事務局の面倒を省く意味でも効果的だ。とにかく、団員を子供扱いしないのがこの団の特徴で、自由度がすこぶる高い。愚亭もマックスフィルには大いに好感を持っている。
そこへ行くと、昨秋第九で参加した某音楽団体の場合は、あれはするなこれはだめと、小姑なみにまあ小うるさいこと、この上なかった。
ところで、過去三回の「復活」と今回大きく違う点があった。それはバンダという金管楽器の別働隊の配置がなかったこと。客席の上の方とか、舞台袖とかに配置されるのだが、今回は、同じ舞台に乗って演奏したので、別働隊ではなかったことに。理由はなにかあるんだろうけど、マエストロに聞いてみたかった。案外、「いやぁ、面倒だからね」とか。この人なら言いそうな感じがする。
そんな次第で本番の舞台というのに、こんな撮影までこっそりしちゃった。目の前はティンパニー。今回はこの左側にももう一組のティンパニーが。目の前の光景なので、いつになくつぶさに演奏風景を見ていたが、実に細かい動作を繰り返していることに少々驚いた。打面に耳を近づけて、音を確認する光景は普段客席からも見ているが、それをかなりの頻度で繰り返す。また足のペダルを踏んだり、何本も並んでいる、一見同じように思えるバチを取っ替え引っ替え、そんなに違うの?と不思議に思うほど。
80分ほどの演奏時間だが、合唱が登場するのは第5楽章の終わりの方で、だいたい73分を過ぎたあたりからで、歌っている時間は第九よりさらに短い8分ほどだ。それまではずーっと山直に腰を下ろしているから、尻はかなり痛くなるし、同じ姿勢でじーっとしているので、立ち上がる時によろめかないかと少々不安にもなる。
両隣の団員は時折こっくりしていたが、聴衆に見られていることを思えば、それは絶対にやってはいけない。しかも、演奏が聞こえるのだから、それを楽しまない手はないのだ。
マエストロは、1楽章と2楽章の間で、相当長い時間をかけていたのは、なぜだろう。目の前のソリストになにやら声がけしていたし、どうやら口の形からして、「暑い?」と問いかけているようだった。
今回は、オケメンバーに合わせて、上下共真っ黒!着替える必要がなく、これは楽だった。
"zu Gott wird es dich tragen"で、華々しく終演!「ああ、終わった!」安堵感と虚脱感はいつものごとし。万雷のようなとは言わないが、そこそこの拍手が鳴り響いて、ひと安心。ほんとはブラヴォーか、Bravi!!!が聞きたかったが。
聞きに来てくれたお客様も雨の中、おつかれさまでした!