ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「パリ、テキサス」

190711 PARIS, TEXAS 1984年 146分 西独・仏合作 脚本:サム・シェパード、監督:ヴィム・ヴェンダーズ 音楽:ライ・クーダー

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ま、今頃になってやっと見たという感想。1984年製作だからねぇ〜。35年もかかったわでだ。たまたま近くの映画館にかかったので、見ることになった次第。まあ、どれだけの秀作かと思ったのだが・・・。ロードムーヴィーの傑作と言われれば反対はしないが、どうもしっくりこない。

主演のハリー・ディーン・スタントンが素晴らしい。それとナスターシャ・キンスキーが見たくもあった。最近、テレビで見た「テス」(1979)から5年後だが、まだ25歳だから、一番輝かしい時の作品。これだけでも見る価値はあるだろう。

トラビスの弟役のディーン・ストックウェル、若い頃はちょっと憂いを帯びた美男で、一時はジェームス・ディーンの再来、とか騒がれたけど、年取るごとにブスになっていったから、分からないものだ。

この主人公たるトラビスがなぜ妻子を置いて4年も姿をくらまそうとしたのか、何故延々、登場から30分近くも押し黙ったままなのか、終盤の独白で多少それらしい説明があるものの、ここが一番弱いなぁ。ここがしっかりしないと全体が崩れやしないかな。

もう一つ、ご都合主義と感じたのは、息子と二人でカミさん探しに、ヒューストンまで行き、たちまち見つけてしまうという展開。いささかリアリティに欠けるなぁ。

最後、妻と子供が感激の対面を果たすのはいいのだが、なんでここでも、一人去らなくてはいけないのか、ストンと腑に落ちる人はよほどヴェンダースと相性がいいのだろう。

蛇足ながら、妻の乗ってた赤い車の中に、初代のウォークマンが。あれは1979年発売で、愚亭もすぐに買ったので、よく覚えている。

#43 画像はALLCINEMA on lineから