ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ゴールデン・リバー」

190724 THE SISTERS BROTHERS (けったいなタイトルだが、これが原作通りで、Sistersとはファミリー・ネーム、シスターズ家の兄弟とでも)これがフランス映画というのがミソ。2018, 120分、脚本(共)・監督:ジャック・オディアール(1952,パリ生まれ、「ディーパンの戦い」2015)

f:id:grappatei:20190724203733j:plain

フランス語タイトル

一応、アメリカも合作に名を連ねてはいるが、配役のほとんどは米人だが、キャスト、撮影場所はヨーロッパ。特にスペインでほとんどロケをした模様。昔、マカロニ・ウェスタンと呼ばれていたイタリア製西部劇があったが、フランス製だと、なんだろう。当時のチネチッタほど西部劇を量産するわけではないから、状況がまったく違うが。

f:id:grappatei:20190724201845j:plain

二人ともこうして見ると凶悪な面構えだ。ジョン・ライリーとホアキン・フェニックス

f:id:grappatei:20190724201435j:plain

前半はまたつくもんだから、つい睡魔に襲われて、ウトウト。まあ、推理劇でもなければ、なんとかストーリーにはついていける。

”提督”と呼ばれる雇い主(ルトガー・ハウアー)からある密命を帯びてオレゴン州へ乗り込む最強と謳われた殺し屋兄弟、イーライ(ジョン・ライリー)とチャーリー(ホアキン・フェニックス)、なんでも画期的な黄金探し手法を発見した男を始末することがミッションだが、追いついてから、いつしか彼らと逆に意気投合し、まさに一攫千金となるはずだったのだが・・・

冒頭、いきなりの銃撃戦で、腹の底にずっしりと響く銃声の厚みにいきなり驚かされる。さらに野営中に夜半、大きな毒蜘蛛が口を開けて眠りこけているイーライの口の中へ。ムニャムニャと咀嚼してしまうから、明け方、大変なことに。CGで撮っているのだが、見ているだけで胸が悪くなる。

f:id:grappatei:20190724203804j:plain

ドローンから撮影されたシーン。西部劇では、このカットは珍しい!

役柄としては軽いが連絡係モリスを演じるジェイク・ギレンホールがギラギラした独特の眼光で存在感を示す。もしかしたら「ブロークバック・マウンテン」(2005)以来の西部劇かもしれない。

f:id:grappatei:20190724203344j:plain

ラストシーン、実家で、自分が子供の頃寝ていた小さなベッドで静かに眠るイーライ。

#46 画像はIMBdとALLCINEMA on lineから。